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LIP / Mach 2000 Rectangular (sold)

フランスの高速鉄道TGVを手掛けたことでも知られるインダストリアルデザイナーRoger Tallon(ロジェ・タロン)を起用し1974年に発表されたMach2000シリーズ。人間工学に基づいて設計されたというこのシリーズはアシンメトリーなケースに赤・青・黄などのポップなカラーリング、特徴的なボール型のリューズなど従来の時計デザインとは一線を画す非常に斬新なものでした。今では一般的となったデザインウォッチの先駆けともいえるLipを代表する名作です。こちらは1974年に発表されたファーストコレクションの中のひとつであるオートマチックムーブメントを搭載したレクタンギュラーモデルです。ややマットな質感のシルバーメッキケースは一切の装飾性を削ぎ落した極めてシンプルな仕様、グレーベースのダイアルは効果的に配されたオレンジカラーによりデザインのアクセントとなるだけでなく視認性も高めています。当時のオリジナルラバーベルトは先端まで幅が変わらないストレート仕様で、潔い直線で構成されたレクタンギュラーケースとの相性も抜群です。搭載するムーブメントはドイツのムーブメントメーカーであるDUROWEのCal.7525/2、日付の早送り機能やクイックチェンジ機能を備えた実用性の高いムーブメントです。


LIP

1867年、Emmanuel Lipmann(エマニュエル・リップマン)がフランス東部の町ブザンソンにブランドの前身となる時計工房、Comptoir Lipmann(コントワール・リップマン)を創業する。当時はスイスのサプライヤーからエボーシュを購入して時計を製造するいわゆるエタブリスールであったが、1900年頃に初の自社ムーブメントであるキャリバー20(直径が20mmであったことに由来する)を開発すると1907年には初の自社工場を設立し、翌年の1908年にブランド名としてLIPを商標登録した。また、同時期の1904年にはPierre Curie(ピエール・キュリー)、Marie Curie(マリー・キュリー)と共同でラジウムを用いた蓄光文字盤を発明した。その後も自社ムーブメントを搭載したオーセンティックなモデルを数多く製造し名実ともにフランスを代表するマニュファクチュールに成長する。特筆すべきモデルのひとつに1952年に発表されたElectronicがあり、これは歯車による動力伝達やテンプなどを用いた調速機構はそのままに従来のゼンマイではなく電池を動力源として駆動する画期的な機構であった。このモデルは後のフランス大統領であるシャルル・ド・ゴールやアメリカのアイゼンハワー大統領にも贈呈され『プレジデントウォッチ』として知られている。そして1974年、フランス全土の注目を集めた大規模ストライキを乗り越え新体制となったLIPのジェネラルマネージャーに就任したClaude Nueschwander(クロード・ノイシュワンダー)は様々な分野で活躍する7人のデザイナーを招聘し、従来の時計デザインの常識や概念にとらわれない数々の革新的なモデルを発表した。中でもフランスの高速鉄道TGVを手掛けたことでも知られるインダストリアルデザイナーRoger tallon(ロジェ・タロン)がデザインしたMach2000はLIPを代表するモデルでありデザインウォッチの先駆けともいえる名作である。


LIP / Mach 2000 Rectangular (sold)

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