LILY1ST VINTAGEが沢山のコートを見つけてくれた。しかも同じフランスのユニホームという。LILY1ST VINTAGEの着眼点というのは彼にしかなく誰にも出来ない。こんなに沢山同じものをお店に並べる事はそうそう出来ない。そういえば6年ほど前に、数年かけてLILY1ST VINTAGEと集めてきたBarbour(バブアー)を販売した事を思い出した。Barbourという共通点はあるものの、モデルや年代も違えばコンディションも違う。”選ぶ楽しみ”みたいなモノを感じてもらった。今回もそんな楽しみ方をして欲しかった。
コロナ前に(このサイトができる前なので、その時の事が残っていないのが残念…)とても好評だった古時計のお披露目。あれから数年が経って、数が揃ったタイミングで再びINSIDE MY GLASS DOORSの1階に並べようと話していた時に当店のある久太郎町で行われるお祭りに参加しませんか?とお誘い頂いた。いつもはやらない事をとのお題を頂き、角田さんに相談して時計の修理を受ける事にした。
暑い暑い暑いと繰り返し言い続けて嫌になるけど口から出るのはまた暑い。いつ頃までだったか(もう忘れた)、夏が大好きだった。ジリジリしてきたら、よしよしよしよぉーし!来たぞ夏!と浮かれていた。その逆で冬が大嫌いで無くて良いとまで思っていた。しかしながら先日気温が下がり(きっと30度を切ったくらい)秋の気配を感じた瞬間、秋最高!冬よ来い!と(自分勝手にもほどがある。)ワクワクした。昔は夏が好きだったのにな?と感じておられませんか?
LILY 1ST VINTAGEなんかの洋服にパッチワークされていたり、ミシンでギザギザっとたたかれていたりしている箇所を目にする。きっと破れたり生地が傷んで補強しているんだと思うが、それがなんともカッコよく愛おしく思う。そして、この服の以前の所有者はどんな生活をしていたのかとか想像し、小説を読んでるかのように楽しむ。
INSIDE MY GLASS D00RSが始まる前からなので、店主は沢山のTochcaをお客様に販売してきた。持ち主により同じレザーなのに全く違って変化している。色の変化はもちろんだけど、黒いレザーもシワの入り方やツヤの出方、レザーの伸び方で全く違うモノになる。だから唯一無二となる。後、キーボルダーやお守りを付けたり缶バッチを付けたりと個性が出てたりする。(私は結構そういうのを見るのが楽しい。)で、お客様が使っているバッグを作り手であるTochcaさんに見せて「『里帰り』です。」と言った。仕事の時に使っている事。パソコンを入れている事。使い始めは暑い時は汗をかくので色の濃いシャツを着ていた事。今はもう色落ちが落ち着いた事。カメラが趣味でこの中に今日はカメラが入っている事。そっから、また色々な話に発展していくのだけど….おーよく育ったね。と目を細めて懐かしむ感じがして本当に里帰り感があって微笑ましかった。バッグというのは物を入れて運ぶ事が目的でひとつの道具なのだけど、それだけではない、なんか形のないモノもが周りにグルグルしているなといつもよりリズム良い店舗の中で過ごしております。
結婚指輪を選びに東京の展示会に店主に付いて行ってAVM(アーム)のデザイナーの古川さんに初めてお会いしたのが10年前。その時根室の写真を見せてもらって、その世界に魅せられた。必ず行きます!と言ってから10年経って(しまい)、新しいスペースを作ったと案内をもらって、いよいよ本気で計画をたてて、仕事も兼ねて(口実)北海道に行ってきた。地図にはのってない場所で絵で描かれた地図を頼りに向かう。ちょっと不安になるような道を抜けると可愛い建物があって、古川さんが出迎えてくれた。ちょっと散歩に行きましょうって、草原を歩いた。白いたんぽぽの綿毛のような根室の花が一面に広がっていた。鹿の道があってどこまでも草原で。ところどころに菖蒲が咲き..顔をあげると嘘みたいな世界が広がっていた。
長く付き合うものとしては、これは良いんじゃないかな?…そんな事をデザイナーの荻野さんが言った。大人になれば足のサイズというのはそうそう変わるものではない。メンテナンスして修理に出して使えばそうそダメになることはない。ましてや、靴が好きなら色々履くのでへたる事もない。そう、長く付き合う事になる。シンプルなレザーはもちろんだけど、今回の象革のレザーも長く付き合うという言葉が合っている。店主からスペシャルで象革を使ってシューズを作ってもらう事を聞いた時は、少し主張しすぎるのでは?しかもブーツだと聞いて、ギラっとするかワークっぽくなるんじゃないか?ネガティブに思ったけれども、店主はもちろん私以上にPETROSOLAUMの事を知っているし長いお付き合いだ。もちろん私はすごく間違っていた。出来上がったシューズは確かに主張はしている。でも良い意味の方で、ギラっともワークっぽくもなく、ただ、かっこよかった。今日は靴が本当に好きな方々がご来店くださった。私には何かの暗号のように聞こえるレザーの話や製法の話をしていたけれども、皆楽しそうだった。
爪に色を付けている時間はなんとなく、落ち着く。労っているというか….。塗った後は手を眺めて自分の手なのに人の手を見ているようで、綺麗だなって思う。昔ある人が、ネイルした時の、あのテンションって男性には全くわからないらしいよ。と言っていた。そうなんだなー残念だ。と思った。ある日、店主はすごく爪を深爪していた。あま皮?と呼ばれるのを捲っては血を流したり….手がボロボロじゃないか?!と。それが癖のようになっていて…これまたどこかで、ネイルをすると爪を噛む癖がなくなったと聞いた事があったのを思い出して、何気に、ネイルでも塗ってみたら?といった。私のグレーのマニキュアを塗ったら、その日着ていたシャツの色とすごく合っていた。そこから、シャツにパンツを合わせる様に、爪の色を合わせる楽しみを知ったようだ。