INSIDE MY GLASS DOORS
BAG
MENU

#01 Robert Walser

最近、少し太ってきたので一駅前で降りて歩いてみる。普段は通らない道、通る車は多いが人通りはあまりない。薄暗く、見慣れない景色の中進んでいく。あまり荷物は多くない方だが小さなノートとペン、カメラをポケットに入れてある。気になった事やお店を書き留めておく為だ。スマホのメモは便利だが紙に書いた方が記憶に残ると思っている。


当店と同じ丼池筋にてtoi booksという本屋さんを営まれている磯上さんに語り部を依頼しました。磯上さんには尊敬している人物や好きな人漫画のキャラクターでも何でも良いので今回作るまだ見ぬシャツを着て欲しい人物を教えて欲しいと伝えました。そして返ってきた答えが小説家のローベルト・ヴァルザーでした。そして、磯上さんが思うローベルト・ヴァルザーをun/unbientのデザイナー、中村さんに伝えました。そこからデザインを起こし、中村さんが思うイメージをフリーで活動されている縫製士、咲季さんに伝えてもらい仕立てて頂きました。

その様な経緯を辿り、今回のシャツが完成しました。

今回製作した洋服はシャツでもありジャケットでもある。薄手でシャツの様な雰囲気だがポケットを沢山付け襟をコンパクトにする事によって羽織りの要素を持たせた。負荷の掛かるポケットには芯を噛ませて補強も抜かり無い。素材は梳毛ウールトロピカル。生地の動きがとても美しい。実際に羽織ってみるととても軽く、心地の良い着用感。ポケットが沢山あり必要最低限の物は持って出掛けられる。内ポケットもあるので、どこに何を入れたか忘れるかもしれない。今の時期はタートルのセーターの上に羽織ってコートが丁度良い。もう少し暖かくなり春頃にはTシャツの上に羽織ればアウターとしても良さそうだ。

自分の頭の中の思考を他人に委ねる事によって想像していた以上の洋服が出来上がったと思っている。この一枚の洋服を手に取る人には自由に着て欲しい。お洒落をしたい時でも散歩をする時や家でくつろいでいる時にも。一度頭の中をクリアにして、委ねてみると新たな発見があるかもしれない。

CLOSE