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26SS ” NONG KHIAW “

Nong Khiawはラオスの北部にある、深い山に入っていく入り口の村。Nong とは水の溜まり、Khiawは青、風、女王、の意味を持ちます。村の真中を走るメコン川の支流のNam Ou riverは土色のメコン川と違って蒼く、流れが見えないほど穏やかです。

川の両側にはドラゴンボールの山のような鋭利で高い山が聳え、日暮れどきになるとその山々の緑と、川の蒼い色と湿度で、あたりがピンクになっていきます。そうして山が黒い影になる頃には紫がかった群青の空に包まれます。

その空がもう一度見たくて26SSは2017年に一度訪れたNongKhiawに行きました。

Nam Ou riverは道路に代わる交通網で、小さい船に乗って、鏡のように山々を映す川を北に行くと様々な小さい集落があります。ラオスは50もの民族が共存する多民族国家です。ラオ族が約53%、カム族、モン族、アカ族、イコ族。。。。各民族は独自の文化や言語を持って暮らしています。少数民族は自分たちを自然の一部と捉え、自然との調和を大切にする文化を持っています。

Nong Khiawのこの辺りもたくさんの少数民族が混ざって暮らしています。そのうちの一つ、Nong Khiawから1時間半北に行くとあるのがSop Chemという集落。女性が畑仕事の合間に織物を行っています。家のそばで生える草木を染めの材料とし、糸を染め、機織り機にかけて模様を作るために一本一本の糸を手でかけていきます。

子供達は歩き始めたばかりの子供川で兄弟と遊んでいる。ここにはWifiもスマートフォンもありません。にわか雨の下で光る、竹でできた家。花と草と川で遊ぶ子供たち。泥の中を気持ちよさそうに転がる水牛。その上を一列に群れをなして飛び交う蝶々。動物、植物、虫、風、川、土、生きているものが全て一体になって、人間もその一部で、何か天国のような現実でした。基本的な生き物の営みがそこにありました。自然、という言葉も人間のための言葉のような気がして、違うような。

モデル兼案内人をしてくれたKeoは9人兄弟の末っ子。一番上のお兄さんとは30歳の違いがあります。色々なことを話しました。都市では子供を育てるのに食べ物や教育にお金がかかり、家も十分な広さが必要なので、子供を作ることに躊躇する人が多い、というと、keoはすぐに答えました。『食べ物は周りで獲れるし、子は外で遊ぶからおもちゃも広い家もいらない。小さいうちから親を手伝う。お金がかかると考えたことがない』

お父さんから聞いた、また自分の知っているこの辺りの50年の歴史もランチを食べながら話してくれました。『この辺りはベトナム戦争の際にベトナム軍が軍資を運んだホーチミンルートで、ベトナム解放民族戦線を潰すために米軍がクラスター爆弾を8分毎に、一人につ1トン以上が1964年から1973年に落とされた。そして今でも不発弾が残っている。10歳の頃、Nau Ou riverで一緒に遊んでいた友達が残っていた爆弾を見つけた。爆弾の金属は売れるのでそれを取ろうとして手に取ったところ、爆発してその友達は自分の目の前で亡くなった。お父さんは不発弾を蹴って爆発させて足に今でも破片が残っている。』

艶のない軽いスプーンで新鮮なハーブと野菜の料理を食べながら、これが爆弾のメタルでできたスプーンだよ、と。水牛が寝そべっている天国のような光景を下に見ながら。

ラオスは世界の最貧国の一つと言われています。

「民主主義指数は世界155位と下位で、「独裁政治体制」に分類されている。また国境なき記者団による世界報道自由度ランキンも172位と下位であり、最も深刻な国の一つに分類されている」目の前の光景は深刻な国とは真反対のところでした。

貧しいとは, 豊かとは、どういうことなのだろう?何もない天国。

(Text by seya.)


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僕たちにとっては行ったことのないラオスという国のイメージはとても美しい織物でした。瀬谷さんの言葉や洋服を見て、実際に訪れて感じてみたい。そう思いました。明日3/20から並びます。ぜひお越しください。

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