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HAMILTON / Chrono-Diver “Big Eye” (sold)

マットグレーのダイアルに赤いクロノグラフ秒針と目盛りが映えるハミルトンのクロノグラフ。堅牢なスクリューバックケースに両方向回転ベゼルを備えていることからクロノダイバーと呼ばれるモデルで、通常よりもインダイアル径が大型のビッグアイ仕様となっています。アメリカの時計メーカーとして知られるハミルトンですが1969年にはランカスター工場を閉鎖し生産拠点をスイスのビール/ビエンヌに移しており、6時位置のSWISS MADEの刻印のとおりこの個体は拠点移転後にスイスで製造されたものになります。鈍い輝きを放つサテン仕上げのケース、高くせりあがったフラットトップのガラス、丸みを帯びた三角形のプッシュボタン等々いたるところにデザインへの拘りが感じられます。搭載するHamilton647(Valjoux7733)はこの時代に多くのメーカーで採用されたムーブメントで、傑作クロノグラフムーブメントを数多く生み出したVenus社の流れを汲む同社初のカム式クロノグラフムーブメントです。


HAMILTON

1892年、アメリカはペンシルバニア州ランカスターにて創業したハミルトンは鉄道の発達と密接に関係しながら成長したメーカーだった。1880年代以降、南部西部も含めた北米大陸全土に大陸縦横断鉄道網が拡張されそれに伴い安全運行に必要不可欠な懐中時計の需要が高まっていく中、1891年にオハイオ州キプトンで起きた”キプトンの悲劇”と呼ばれる列車同士の正面衝突事故をきっかけに急速に鉄道運用システムの整備が進められた。双方の機関士と9名の乗務員が犠牲となったこの事故を重く見た鉄道当局はクリーブランドの時計宝石商Webster Clay Ball(ウェブスター・クレイ・ボール)を鉄道監督検査官に抜擢し事故状況の調査と新たな運用システムの開発を要請。鉄道員の携帯する時計の精度誤差が事故の大きな原因となっていたことから、1893年に鉄道時計の認定基準『レイルロード・アプルーブド』を策定し各メーカーはこの基準をもとに時計を製造するようになる。中でもハミルトンが製造する”ブロードウェイ・リミテッド”はその高い精度と耐久性により各鉄道会社からの信頼を集め鉄道時計のトップメーカーとしての地位を確立する。その後鉄道時計で培った技術をベースに腕時計の開発を進めパイピングロック、コントアー、ウィルシャーといったデザイン性の高い数々の名作を発表する。また第二次世界大戦時には全ての生産ラインを軍用時計の生産に切り替えじつに100万個以上にもおよぶ軍用時計を供給し、特にマリン・クロノメーターは米国海軍天文台に”Zero Rate(特等級)”と称され他の競合メーカーの追随を許さなかった。こういったアメリカの時計メーカーの互換性部品を利用した大量生産技術はその後のスイスの時計作りにも大きな影響を与えることとなった。その後も1957年に世界初の電池式腕時計『ベンチュラ』を発表(ゼンマイの代わりに電池を動力源とする電磁テンプ式ムーブメントを搭載)、1969年にホイヤー・レオニダス、ブライトリング、デュボア・デプラとの4社共同で世界初の自動巻きクロノグラフキャリバー『Cal.11』を開発、1970年に世界初のLED式デジタル時計『パルサー』を発表するなど革新的なタイムピースを世に送り出した。


HAMILTON / 1970’s Chrono-Diver “Big Eye” (sold)

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