サンクトペテルブルクの工房にて手作りされているAFOURの革靴のようなスニーカー。特殊なマット加工を施した経年変化を楽しめるオイルドヌバックレザー。ライニングにはベジタブルタンニン鞣しのレザーを使っていて、優しく、しっかりと包まれる様な履き心地。ソールが固目なので体感としては長時間着用、歩いていても疲れにくく、どこまでも歩きたくなる様な、そんな気分にさせてくれる。防水加工も施されているので、雨の日用としても使いやすい。ふと足元を見た時に革靴を穿いているかのような、心の躍る感覚があり道具としての用途だけではなく高揚した気分を味わえる素晴らしい靴だと感じている。スニーカーでそんな気分になる事はそう多くはない。
あまりにも軽いので、フードが付いていることを忘れてしまいそうです。遠目で見ているとレザーのような雰囲気ですが、シャカシャカです。ミニマムなデザインにちょっとだけユニークな部分があって。だからこそ気負いすることなく、いつでも手が伸ばせる。こういうのがあったら良いのになと思う所をなんとなく形にしてくれた、そんな感じです。
機能的で、リラックス出来て、動きやすい。そんなパンツがあるとつい手に取ってしまいます。今回の生地はシャカシャカしているけど、レザーにも見えるような不思議な雰囲気を感じます。ベルトとバックルはミルスペックで、フロントは前開きでアクティブな要素を少し抑え、収納力のある大きなポケットと本格的な作り。可動域が広く動きやすいデザインです。
色というのは人によって違って見えたり、場所や環境によって印象が変わることがあります。おそらくほとんどの人が黒と答えるかもしれません。しかし日光に照らされると茶色というのがわかります。黒に見えるけど茶色、茶色ではあるけれど黒く見える。その絶妙なニュアンスのあるジャケットです。
ヴィンテージの生地の空気、ハンティングとフィッシングの完成された実用性のあるデザインの組み合わせ。それだけでも心を掴まれる要素でした。パリの中心部でデザインから生産まで一貫して行い、持続可能なローカルプロセスに根ざしたものづくりを行なっているEASTWOOD STUDIO。1930-1960年代のアメリカのフィッシングジャケットとハンティングジャケットをリサーチし、再構築と融合させたデザインです。生地は1950年代のウィップコードウールを使い、ボタンは1870-1950年代までのフランス軍のボタンが使われています。少し短い着丈と丸みのあるシルエットが妙にしっくりきました。
まるで使い込んだオイルドクロスのような趣きですが、フロック加工(毛羽)が施されたデニムだそうです。それを製品染めすることによって、その毛羽が少し落ちて使い古されたような表情になります。光の当たり方で見え隠れする色がとても印象的でした。ウエストと裾にダーツを入れて少し丸みを帯びたシルエット。ダーツからバックポケットの縫い目とシームを合わせて直線に。とても造形的に美しいパンツです。履き込んでみたい、そう思いました。
10年以上前お店に今でも並んでいる、とあるブランドを初めて羽織った時のあの突き刺さるような感覚。それを思い出しました。Hollie Wardはロンドンにて手織りのテキスタイルを制作しています。ルールに縛られることなく、自由に織り上げられた生地は独特で優しい雰囲気を感じました。スコットランドはJC Rennieのスーパーソフトと呼ばれるデッドストックのラムズウール糸が使われています。シェットランドウールの見た目ながらとても柔らかく、初めて触った時は少し混乱しました。ライニングは1912年創業のアイリッシュリネンメーカーBAIRD McNUTTの生地を使っています。本来は裏地に使う生地ではないかもしれません。そんな自由な発想だからこそ唯一無二の洋服になるのだと感じました。そんなスペシャルな生地で作られたカバーオール。体を優しく、暖かく、心地よく包みます。
カシミアの柔らかさ、コットンの丈夫さを良いバランスで掛け合わせています。シャツの下に、セーターやスウェットの下に、ジャケットの下に。それは快適な冬が過ごせると思います。ジャストフィットなサイズですが、ワッフル編みなので伸縮性があり窮屈は感じません。直接肌に触れるものですから、肌が喜ぶものを着るべきだと思いました。天然素材だからこそ味わえる心地よさを。
今日もPOMPEIIを着る。腕の皺がくっきりしてきた。こういうのがそそられる。着る事によって完成に近づいていく洋服。そういうのが好きだと再認識できた。パンツはオルビィトーマス。靴はPETROSOLAUMのHIDDEN DERBY。最終日、平日ということもありゆっくりしている。週末がとても忙しかったので、このゆったりも心地が良い。ヘンリーとペリーときみえと色々な話をした。台湾についてやラーメンについて、今後の取り組みについて、アニメや漫画について。ペリーは僕が前にオススメした魔男のイチが台湾で出たらしく買ったそうだ。面白いと言っていたのでオススメしてよかった。今日来るかな?と思っていたOさんが来店する。ウールのQUENTINを着てくれていた。TochcaのスクエアとPROJECTbyH.のPOMPEIIをお渡しした。春夏を見てORDAINEを試着する。ORDAINEは元々秋冬にしか作られていなかった。去年、ORDAINEをヘンプで作りたいという声があり、作ってもらった経緯がある。だからもしかしてそのおかげで春夏仕様もできたのかな?と勝手に思っている。形はジャケットで風に揺れる素材だと全くの別物とも言える。Oさんも気に入ってくれている様子だった。きみえとはいつも通り韓国話に花が咲いている。青野さんもPOMPEIIを取りに来てくれた。着るなり、『めちゃ良いっすねぇ!』と気に入ってくれた。シャツとしても使えるし、ジャケットのようにも使える。なんやかんや1番出番の多い洋服になると思う。初めて出た半袖シャツを試着して、なんだかしっくりきている感じだった。あっという間に三日間が終わる。いつも通り全員でダッシュで片付ける。そしてそのままラーメンを食べにいく。帰ってきて太田さんにお願いして記念写真を撮った。『ありがとうー!』と言って見送る。次は台湾でと約束した。今年は本当に行こうと思う。
イベント二日目。今日もPOMPEIIを着る。多分明日も着る。すでに腕に皺が入り良い雰囲気になってきた。厚手なのでちょっと暑い。今日は昨日と変わりゆったり。どうやら世間は運動会らしい。それでちょっと都合が付かないお客さんが聞いただけでも数名いた。来年は日程をずらす必要がありそうとヘンリーにも伝える。昨日は全然試着できなかったので、きみえも一緒に色々試着してみる事にした。波のように揺れる軽やかな生地。とても着心地が良い。もう夏は終わったけど、頭の中で夏を想像する。デニムは次の秋冬ではあえて出さないらしい。デニム好きからするとちょっと困る。だからお店用にはデニム中心にしようかと思う。生地も新しく使うデニムだった。某ブランドの60年代の生地を再現したらしい。その上からお茶の出涸らしと鉄釘から作った錆で染めている。一見染めたことはわからない。でも染めなしのデニムと比べると明らかに違う。そのちょっとの違いが使っていった先の大きな違いに変わる。多分それも考えての染色なのだと思う。天気の割にたくさん来店があった。皆PROJECTbyH.を着てくれている。着替えて帰ってくれる人もいた。この場所を通じて色々な人に伝えることが出来ているという実感できた。繋がらなかった事が繋がっていく。小さなお店だからこそできる事がきっとある。