甘く織られているウールと和紙。少しシャリっとしてドライタッチ。少々湿度が高くなってもこれなら、と。ウールは体の湿度を調整してくれる天然繊維。体温が上がると外に出してくれて涼しくなり、寒いと体の水分が繊維の間に収まり保温する。そんなすごい機能が自然のものにはあって、どれだけ技術が進歩しても自然に勝るものはないのかもしれない。ジップは経年変化のあるWALDESのゴールド。ジップの重みで生地が少しフニャッとしているのも小慣れた雰囲気に見える。ジャケットだけどカーディガンみたいに気楽に羽織れる。真夏もカバンの中に入れておこうと思う。
しっかりと油分が入り、しなやかで艶のあるシープレザー。それは見るだけでも上質さが伝わってきて、その素材に負けない細やかなディテール。ジップ、馬具で使われるようなDカン、スナップボタン、シルエットに変化を付けられる裾のドローコード。無機質さとレザー。沢山の要素がありながらもごちゃごちゃにならないバランス。ちょうどパッと羽織れる軽くて茶色いレザージャケットが欲しかった事もあり、お店に招き入れることにした。
このパンツなしでは考えられない。長年使っているといつの間にかそう思うようになっていた。ウエストがゴムで快適な事。ウルトラスエードの扱いやすさ。汗を吸って通気性もあり、洗濯機で気軽に洗える。10年前のパンツを見ても劣化をほぼ感じない。そしてゆったりとしたシルエット。個人的には良い所しかないと思っている。唯一あるとすれば火に弱いくらいしか思い浮かばない。墨の揺らぎ、その一瞬を捉える。決して狙う事ができない、そこが墨流しの面白いところだ。今回はその墨流しをイメージしたプリント。遠目に見ると迷彩のような、古びたヨーロッパのワークパンツのような。その独特な雰囲気が面白いと思った。
白いシャツの季節。気分がパッと明るくなる白。涼しげに見える白。2PLYの糸で作られた手織りのカディは人の手が感じられる。前回の生地よりも一段と薄く、より涼しく、より馴染みやすいシャツ。汗っかきの僕はどうしても乾きにくい生地だと敬遠してしまうけど、カディは真夏でも気にする事なく着れる。洗う度に柔らかくなる。そして着心地がどんどん良くなっていく。暑いのは苦手だけど、どうせなら少しでもその苦手を楽しみたい。このシャツにはその適性がある。
デニムパンツ。ある意味すでに完成されているものであり、それを目指して作られているものがほとんどで。それはそれで素晴らしいし、昔から、今でもデニムパンツは大好きだ。オマールのこのデニムはその着地点が異なっている。そもそもそこを狙っている訳でもない。だからこそ新鮮に感じ、魅力的に見えたのかもしれない。バギーシルエット。顔料による製品染め。ワークウェアのようなネイヴィ。所々ムラがある。使い古されたような雰囲気。良いパンツだなと思った。
daisuke tanbeのパーカにSpomenikのパンツ。オマールのアトリエコートを羽織る。少しずつ暖かくなってきていて春コートが心地よい。この穏やかな気候が長く続けば良いのになと思う。とは言えお店は底冷えするのでまだまだストーブは付けないと寒い。今日は、昨日悩んで帰られたYさんが来てくれたり、Yくんがコモリを見に来てくれたり、Nさんが春物を見に来てくれて、名古屋から久しぶりにSさんがクルーキットを見に来てくれたり・・・など忙しい1日だった。名古屋のSさんはよく大阪には来られるそうだが、いつもクルーキットの入荷のタイミングで来れずに悶々としていたそう。ほとんど在庫はなかったけどジャケットとシャツを見てもらう事ができた。初めて袖を通したそうで、あまりの着心地の良さに唸っていた。僕も初めて着た時はそうだったなぁと思い出す。クルーキットは何かに左右される事なく、全てにおいて貫いている。いつも前シーズン以上の世界を僕たちに示してくれる。そんな洋服を並べることが出来て、来られるお客さんたちに喜んでもらえるのは本当に嬉しい事だと感じている。
どちらかというと、着込んでいくとシワが入り毛羽だったり色褪せたりクタっとなる様が好きだったりする。今回のOMAR AFRIDIのシャツはリネンとラミーのハウンドトゥース柄(千鳥格子)。柔らかいリネンの吸水性と速乾、繊維が太いラミーの丈夫さの良い所が組み合わさった素材。モッチリしていますね、と試着した方は言われていた。きっと柔らかさと張りが混ざったような昔のリネンのような風合いになると想像する。丈が短めで身幅が広め。バランスがとりやすく、さまざまな素材のパンツや太いパンツとも相性が良い。だんだんと自分に馴染むので合わせるのが楽しくなる、楽しめるので、楽しみましょ。
オープン前に原田さんがアートディレクションとデザインをしている北浜のSUIMON HOTELに行ってきた。今は使われていない東横堀川にある旧水門施設をホテルのフロントに見立ててその空間を実験的に使い、使われていない施設を活かした水辺の魅力を伝える拠点としての可能性を探るというプロジェクトらしい。こんな所にこんな建物あったっけ?という場所にあった。僕には少し馴染みのある場所だった。前の仕事のアトリエがすぐ側にあり、お昼休みにお弁当を食べながらよく読書をしていた所。懐かしさを感じながら立ち入り禁止と書かれた所を進んで橋を渡るとその建物がある。空間を見るのも楽しみだったけど、新建築書店 / POSTのポップアップも楽しみにしていた。小ぶりな空間でとても心地が良かった。僕たちだったら何ができるだろう?と妄想する。天井が鏡のようになっていて川の揺らぎが見える。都会のど真ん中なのにちょっと異世界に来た感覚が面白い。本を数冊選び、空間と本を堪能しお店に戻る。
二十四節気(にじゅうしせっき)という言葉がある。いつの頃だったか新聞を取るようになり、その新聞に”毎日ことば”としてクイズ形式で校閲のようなものから、漢字の読み方を問うものなどがある。そこに先日”啓蟄”とあった。”けいちつ”と読むらしい。意味は3月6日頃の事を言い土の中で縮こまっていた虫が穴を開いて動き出す日のことらしい。この時期はひと雨降るごとに気温が上がってゆき春に近づくそうだ。四季というが、日本の暦では季節をまた6つに分けて二四節季がある。春を6つに分けた1つが啓蟄(けいちつ)だ。これから気温差が激しく、羽織るものも必要だけど昼間はぽかぽかするだろう。すでにそうな気配がやってきている。そんな時に心地よく過ごしやすい軽い羽織や中に着るシャツやそれらにあったパンツなどを1階に並べてみました。”啓蟄”の後は”春分”と続き本格的に春がやってくるらしい。あっという間に時は過ぎるなと感じるけれど実は細かい季節がある事を味わい、着る服も楽しんで頂ければと嬉しいです。ご来店お待ちしております。
daisuke tanabeのブラックデニムにスウェット。最近同じようなフォルムになる。しっくりきている。今日はきみえは休みなので、ワンオペだ。ワンオペはaoma coffeeで聞いて初めて知った言葉。そんな風に言うのかと勉強になった。今日は2年前にニューヨークから来てくれたGさんが来てくれたり、COMOLIから久しぶりに入荷があった。インスタにちらっと載せたら、前に京都から来てくれたYさんがCOMOLIを見に来てくれた。持っていたリュックが登山でも行くかの様にパンパンだったので、今日は荷物多いですね!と言うと結婚して大阪に引っ越したんです、と。荷物がもともと少ないらしく、少しずつリュックに詰めて運んでいるそうだ。その身軽な感じ良いなと思った。昨日、自宅の大掃除をして沢山整理した。整理してもまだまだ不用品がいっぱいある。沢山処分したはずなのにそこまでスペースを確保できていない。どうやってそれらをしまっていたのか不思議でならなかった。と言うわけで、掃除の度に必要なものだけ買おうと思っているけど中々難しい。Yさんは前にもCOMOLIを買ってくれていて、とても良かったそう。それでまた見に来てくれた。入荷したウール和紙のジャケットをワークパンツを試着する。ジャケットはあえてサイズ3だけを入れた。細身な人でもこれなら雰囲気が出ると思った。思った通り、良いドレープが出ていた。本人もまんざらでもない感じだった。
daisuke tanabeのブラックデニムにヴィンテージのスウェット。最近スウェットばかりに手が伸びる。古いものを集めたくなってきた。でもここ数年はかなり高額になっている。危険だ。収集癖。気に入ると集めたくなってしまう。古着のTシャツやリーバイスも集めた。フィギュアも集めた。フィギュアなんかは開封用と保存用2個ずつ買っていた。今はもう断捨離してしまったけど、最近そのフィギュアも何十倍の値段になっているのを見かけた。やっぱり好きなものは残しておいた方が良いのかもしれない。それはリセールを考えての事ではなくて、また欲しくなった時に買う事が難しくなるからだ。そんな話をお客さんと店頭でしていると、スモールライトがあれば良いですよね。となる。皆置く場所に困っている。
僕たちの中でseya.といえば。と思う一つがトラベルパンツ。程よく力が抜けているけど、穿くと背筋が伸びるような気がするトラウザーズ。ツータックで少しゆったりのストレート。今回はスーピマコットンのライトなデニムを使っている。デニムとは思えないほど柔らかく、サラッとした肌触り。穿き込めばインディゴの経年変化があり、ワークパンツのようにラフに穿く事でさらに柔らかくなり、より雰囲気が増していく。いつもと違った楽しみ方の出来るトラベルパンツ。