レザーに目を奪われる。とてもキメが細かく、しっとりとしたBABY CALF。着ていく内に優しい艶が現れ、色が深くなっていく。そんな想像ができるような、明らかに良くなりそうな面構えをしていた。無数のダーツで形成された独創的で立体的なパターン、それは古いパイロットジャケットのような着心地だった。フロントはジップ、総裏で中綿が入っている。レザージャケットと思って着ると軽く、そして暖かくて気持ちが良い。革もモチモチしている。寒くなるのが楽しみなPADDED LEATHER BLOUSON。
変化はあっても大切な部分は変わらない。常に研ぎ澄まされていくオマールアフリディ。定番で作られていたA SHIRTを潔く短くしバランスを整えた新型のPHILIP SHIRT。シャツだけど羽織り物を着ているような感覚になる。少し緑を感じるダークトーンのギンガムチェックはグッと大人っぽく見える。素材はウール、打ち込みが強くカリッとした肌触り。スナップボタンは相変わらず使い易い。インナーに丈の長いものをレイヤードしたり、ワイドパンツともバランスが良く、想像力が膨らんでくるような気がする。
初めて彼らの作る洋服を見て(惹かれて)から年月と共にどんどん積み上がってくるものがあり同時に研ぎ澄まされていくものがあるのだけど、変わらず奥行きみたいなものがあって、その深い部分ってのはほぼ変わっていない気がしていたけど、今回のコンセプトを聞き。これなのかな?と…..
昔描かれた家の絵をTシャツに落とし込んだそうで、蛍光や画材の質感まで加工屋さんで試行錯誤しもらい出来上がったそうだ。家というモチーフは100人いれば100通りあって物語が感じらる。映画や小説、音楽も様々なモチーフになっているしそれだけパーソナルだと思う。そんな家の絵が大胆に描かれている。たぶんもう少し暑い日が続くだろが、ポーンと気温は下がる。下がるだろう。下がってほしい。(もう祈りに近い)ショーツに半袖はなぁ〜みたいな気分になる。そんな時のバランスを取るのにちょうど良い薄さ。そのうちジャケットの中やニットの中に。で、また春には1枚で。と長く着れるし、合わせるのも楽しい。真っ黒になりがちな冬にピリッと香辛料的にいかがでしょう?
高校を卒業して東京に行くことが決まった時に父の友人が懐かしそうに東京の話をしてくれた。東京には六本木というところがあって、そこにイタリア料理の店があって、すごくおしゃれで、来る人たちもかっこよくて著名人たちなんかも通う場所で、そのお店の机にはギンガムチャックのクロスがかけられていて….という話だった。その艶っぽくて、でも色褪せた思い出話がすごく好きで、赤いギンガムチャックを見るとどうしても、めいっぱいオシャレして楽しそうな大人を想像してしまう。このパンツはリネンとラミーで織り上げられたwritten byオリジナルの生地で納得が行くまで微妙な色調整をして味わい深い雰囲気を出したそうだ。ヨーロッパの古着のイメージをもとに(ヨーロッパのコックパンツを思い出させる)作られゆったりとしたシルエットに仕上がっている。あの頃の(60年代70年代くらいかな)大人たちがめいっぱい楽しんだ様に、心地よい生地とリラックスしたシルエットのパンツに何を合わせようかとワクワクしてほしい。
COMOLIの洋服をお好きな方が『長く着るとどんどん良くなるから、結局COMOLIを着てしまいます。』と仰られていた。初めから100%自身に合う物なんて無い。使っていく中で、自分の物になっていくその様を楽しめるのがCOMOLIの洋服だと思っている。凹凸のある昔ながらの生機のデニムを使った素材で比較的どの季節でも着用出来る重さ。ワイドで少しテーパードの効いたシルエットはバランスや穿き心地が良い。数年後、どんな風にフェードしているか楽しみなパンツだ。
4年くらい前、パリで瀬谷さんの洋服を初めて見た時に1番印象的だったのがジャケットでした。きっちりしているけど優しく、なんとも良い気分になれるジャケットだった。今回はダブルのジャケット。きっちりテーラードだけど程良くゆとりがあり、フワッと羽織るようなイメージ。ラフに、気軽に羽織れる。ボタンを開けてここまで雰囲気の出るダブルにはあまり出会った事がなかった。生地はとても細かいツイル。ウールがベースでシルクと最高級の内モンゴルのカシミアがブレンドされている。やり過ぎない光沢ととろける様な肌触りとドレープ。定番的なネイビーカラーだからこそ、この素材が活きてくるような気がします。
クローゼットにあると安心できる服。毎日着るわけではないけれど、気合いを入れたい時とか何を着ても気分が乗らない日とか。何も考えずとりあえず着ればオッケー。僕の中ではそんな位置付けのトラベルパンツ。綺麗だけどリラックス感もある。古着に合わせても様になる。本当に万能なパンツだと思う。今回の生地はとても細かいツイル。ウールがベースでシルクと最高級の内モンゴルのカシミアがブレンドされている。やり過ぎない光沢ととろける様な肌触りとドレープ。定番的なネイビーカラーだからこそ、この素材が活きてくるような気がします。
Kota Gushikenのコレクションは彼が体験したことがテーマになる。このお猿さんは、彼が新潟に出張し、入った居酒屋さんの壁に美しい猿の絵のラベルのビールのポスターが貼ってあった。それが新潟の酒蔵の八海山が出しているビールだったと知り、翌日に卸先さんにその事を話したら担当の方を知っているとなり(そんな事ある?!って思うけど彼らしい……)で八海山の方とそのお猿さんを描いたアーティストの方と繋がり、コラボが実現した。それがこのニットカーディガン。ふと思ったのだけど(今回のシーズンテーマが自己紹介ってのもあって)今までのコレクションはそうやって彼の体験や考えた事という物質ではないものがニットという物質に変わり、私たちの手元にある。言い換えればニットを通して彼の体験や考えを知ることになる。なっている。猿倉山という場所、そこで酒造しているビール、アーティストの今井龍満さんという方。知らなかった世界を知り広くなる。彼の温かさだったり驚きなども知る。今、目の前にある読みかけのエッセイと一緒だと思った。ずっと彼のエッセイみたいなのものを読んでいる感じで、本と違うのはそこに着る人のエピソードが乗っかる事だなと。そんな物質は他にはあるのだろうか?とぼんやり考えてる。(今回のシーズンテーマが自己紹介ってのもあって)では、ニットの話。前はシンプルにゆったりしたシルエット。後ろはお猿さんの絵が美しくかっこよく描かれている。毛足の長い糸が使われているのもカジュアルすぎず、でも上品すぎないのも良くて、ヤンチャな感じで着たい。。ビール瓶持って歩く感じが似合うと思うのだけどどうだろう?
Jamieson’sはスコットランドにあるシェットランド島で羊を育て紡績して染め柄を組み編んで販売する工程を全て自社で行なっている会社だそうです。そのJamieson’sとKota Gushikenとのコラボレーションニットです。AW2023のニットもあります。そちらにも記事があるのでよかったら読んでください。今回はVネックが印象的なベスト。ベストがとても好きなんだけど、どうしてか?考えた。洋服なんだけど少しストールとか帽子に近い気がする。アクセサリーのように扱うこともできるし、合わせるものにより印象が変わるから、自分の気分に寄せる事ができる。なんなら、赤ちゃんの時からベストはよく着せられていて長い付き合いだ。どうやらベストは脱ぎ着できやすいし体温調整するのによかったらしい。確かに、ニットのベストは暖かいし暑すぎない。Jamieson’sとKota Gushikenのニットベストはたくさんの色が使われている(肩の部分のブルーとか綺麗だなとうっとりする。)クラシックな印象の柄と大胆なフォルムのベストが異様に合っていて、シンプルに合わせても良いし、柄のシャツなんかも合わせてみたくなる。その時の気分で楽しんで暖めてください。
綺麗だけど綺麗すぎない。カジュアルになれるけどカジュアル過ぎる事はない。どんな場面でも雰囲気の合う03の美しい木型。サイドジップの新しいデザインです。シューレースの靴のようにフィットを調整するのが難しいデザインだがしっかりと足首が固定され心地良いフィット感。余計な装飾もなく削ぎ落とされたミニマムな部分と、馴染みやすいオイルソフトキップレザーの柔らかい質感とすごくバランスが良いと感じました。