ABRACADABRAを初めて見た時はすごく大人っぽく感じた。大人っぽく感じて浮いている気がしたけど、自分が歳を取ると共に馴染んできて、お守り?相棒?みたいな存在になった。ABRACADABRAって痛いの痛いの飛んでけーみたいなおまじないの言葉と知ってからは本当におまじないのように、心身ともに何かあるごとにリングを見て飛んでけーって思ってる。あと厚みがないから身体の一部みたいになってて好き。かれこれ12年の付き合いです。
無名のレーベルGMFのカーディガン、80-90年代のものです。生地や刺繍の雰囲気からスポーツウェアなど作っていたのでは?と個人的には感じました。このテイストは”抜けた感じ”を出すのにちょうど良くて結構好きだったりします。イタリア本国の生産なので、かなりしっかりした作りで染色もよく、綺麗な緑。もちもちとした生地は着心地が良く裏起毛なので保温性が高い。ファッションとして狙っていないデザインにまた違った魅力に感じました。イタリアの古い洋服は面白い、そう思わせてくれました。
スウェットはどうしても家着に見えてしまいがちだ。快適さだけを求めるとそうなってしまうのかもしれない。だからこそ素材が重要になってくる。極上のエイルスーピマを使った裏毛のスウェット。品の良いドレープやほんのり感じる光沢。素肌に触れさせたくなる生地。そして動き易いフリーダムスリーブ。ありそうで無かったポケット。快適さと上品さをどちらも兼ね備えている、一つの答えのようなスウェットだと思った。
1990-2000年くらいに流行っていたあの感じは長い時間が経った今、なぜか新鮮に感じる。現代の洋服と組み合わせるとどんな風に映るのか、どんな気分になれるのか。色々と試したくなりそうな気がしています。2タックのストンと落ちるストレート。深い、くすんだ赤。上質なコットン。ウエストは大きめで、ベルトでギュッと締めた時の雰囲気が良い。ドレスウェアの素晴らしい作りをカジュアルに昇華させた1990年代イタリアのトラウザーズ。
これはコットンではない、と今でも思う。トロトロモチモチ。24時間ずっと肌に触れていて欲しいと思ってしまう。これが本来のコットンだと言うのだから本当に驚かされた。綿はルーメンという真ん中が空洞になった部分が元々あり、糸を作る際に圧縮などによってその空洞が潰れてしまうそうです。その潰れた空洞を特殊な加工で復元しているのがthe besオリジナル素材のエイルスーピマ。さらに全ての工程で綿に極力ダメージを与えない様に作っているため、スーピマコットンの本来の姿を体感できるTシャツなのです。
イタリアの田舎町で見つかったスペイン製のバーバリー。1980年代頃のもので、富裕層向け(女性用)に仕立てられたリゾートウェアと推測されます。地中海を思わせる潔い白がとても珍しい1枚。機能的な作り、数箇所に施された刺繍のアクセント。とても洗練されたデザインのハリントンジャケット。生地が良い感じに柔らかくなっているので初めから小慣れた雰囲気で着用できる。そして総裏なので秋口のアウターとして新鮮に感じるかもしれません。
元テニスプレーヤーであるセルジオタッキーニのポロ、1980年代の紙タグ付きのデッドストックです。素肌に羽織りたくなるくらいに着心地の良い鹿の子。珍しいフルオープン仕様はポロとしては着脱がし易く着用頻度が高そうな気がします。コートやジャケットの差し色として。一枚でも様になるイタリアの美しい赤は一目見て手に取っていました。乗っている車は赤、テントと椅子と机の足も赤、Tシャツやスウェットも赤。自分では気付いていませんでしたが、どうやら赤が好きなようです。
柔らかい。優しい。そんなイメージが湧いてくるピンク。様々な色と馴染みがよく、実は使い易い色。このシャツの色を例えると淡いピンク、サーモンピンクの手前くらい、茜染め(madder dye)されたピンクのようにも見える。1980年代イタリア”OCEAN STAR”のプルオーバーデザインのシャツ。古いフランスのワークウェアから着想を得たのでは?との事。フロントのレーベル名の刺繍、アクションプリーツ入りの胸ポケット、ヨークのいせ込みや美しいピンタック、など随所に拘りのある作り。生地はハリがあるけどスベスベ滑らか。イタリアの生地は素晴らしいと改めて感じました。
シャツではあるけれど、コートを羽織っているような満足感。