
PERIOD FEATUERS
今年の夏はどうでしたか?今まで体験した事のない暑さで、何とか着れるものと言えばTシャツやノースリーブでした。40度近い気温の中、歩いていると感じたことがありました。それはジリジリと照りつける日差しが痛いという事。これは逆に半袖だときついと思いました。しかし長袖を着るのもきつい。色々試してみた結果、半袖を着ているのと変わらない感覚で着れたのはインドのカディコットンでした。
seya. / LE VILLARET JACKET
1900年初頭のフランスの農夫が着ていたジャケットを思い出しました。少し低めのラペル、柔らかいツイード、裏地には少し起毛したフレンチリネン。何年も着てきたかのような力の抜けた雰囲気です。しかしシルエットはとても美しく、リラックスフィットなので着心地は軽くて快適、昔のツイードのような硬さは全くありません。あの時代の空気を現代的に纏えるのは何だか嬉しく感じます。同素材のROAD TRIP PANTSとセットアップでも楽しめます。
seya./ ROAD TRIP PANTS
『ポケットの角度が良いですね、手が突っ込みやすいです。』と試着された方が言われていました。パンツを選ぶ一つの基準として物を入れるのではなく、手を入れた時にバランスの良いパンツが良いなと思っています。トップボタンが排除されている、紐を縛って穿くROAD TRIP PANTS。LE VILLARET JACKETと同じツイードなのでセットアップでも楽しめます。ウエストのジャストの位置で留めても、少し落としても穿ける自由さのあるパンツです。腰回りをスッキリ見せる為にサイドシームはありません。ストンと落ちるシルエット、生地が柔らかいので心地が良いです。
Kota Gushiken / TWISTED WOOL YARN SHIRT CARDIGAN
Tシャツがそろそろ飽きてきたなぁと感じる頃、カーディガンを羽織るとちょっと新鮮な気分になれます。その新鮮さというのは季節が移り変わる時に感じることが多い気がします。Kota Gushikenのカーディガンはウールの強撚糸をその特性を活かして編み地がよじれるように編んでいます。強撚している事でシャリっと。さらによじれている分、そこまで肌に触れません。だから暑くなり過ぎず程よく暖かい。という事は一年を通すと案外長く着れるのではないかと思いました。ウール自体も質が良く、全くチクチクしません。そして今シーズンのテーマを象徴するハートがどこかに隠れています。わかるようなわからないような。あっ!見つけたと思ったら、やっぱり違うか?ここにもある!と思っても次には見つけられない。さりげなく、LOVEが込められている。その感じが良いなぁと思いました。
seya. / LIGHT DOUBLE FACE PANTS
心と体が喜んでいるような・・・穿いた瞬間に笑みがこぼれました。15.5ミクロンのメリノウールの二重仕立てでホワホワです。ゆとりのあるワイドシルエットなのに腰回りがスッキリと見えます。それはサイドにパネルを配することで立体的なパターンになるからだそうです。柔らかくて軽くて、窮屈な感じもなく、気持ちが良い。そして美しいシルエット。多分このパンツを手にした人はこればかり穿いてしまうだろうなと思っています。
seya. / RAYMOND AUTUMN SHIRT
比翼仕立て、短めの襟。凛としてとてもミニマムなシャツ。ウールに最上級のカシミアが入ったヘリンボーン素材はとろける様な柔らかさと滑らかな肌触りです。襟裏とカフスにはフレンチリネンの裏地があります。美しい生地と綺麗な仕立て。それでいて”抜け”があり、着ると高揚した気分になれる、それが特別に感じられました。
seya. / PRINTED LONG SHIRT
その土地の空気を切り取り、Tシャツに収める。その空気を心地よく感じられるものに出会える事は多くありません。セヤのTシャツはその心地良さを毎回感じられ、集めたくなっている自分がいます。セヤのルックブックを撮影しているJeff BoudreauさんがフランスLozèreで撮った写真を肩先と首元まで大胆にプリントしています。脇線を後ろに少しずらして立体的に、袖は2枚のパーツで構成した凝ったディテールのTシャツ。今回は後染めを施し、シーズンカラーの”地”の色を表現したそうです。
seya. / FRILLED SHIRT
洗いたいな…..とまず店主が言うシャツがある。そのシャツは大体もっと良くなるシャツだと言うことに私は気付いている。はじめから”ふわっ”としている物もあれば”がしっ”としているものもあるのだけど、それぞれ洗うとどんどん良くなっていく。その”良くなる”はさまざまで、このシャツに関しては目が詰まり良いシワが入り、くたぁとなっていくと想像する。それ程にしっかりしたドライな強撚のオーガニックコットン生地だ。前立てにフリルのように見えるバイアス生地を挟み込んだ、20世紀初頭のヨーロッパをイメージしデザインされたシャツの作りは細部まで神経が注がれているので、委ねて着て洗ってを繰り返し着続けると自分たちの想像を超えていくんじゃないかなと思う。だから、早く洗いたい。
CLASS / LONG SLEEVE T-SHIRTS
真っ白ではない生成色と白の間くらいの色。パキッとしていない分肌に馴染む感覚があります。少しペーパーライクな生地。肌当たりが心地良く、あまり季節を考えなくても良さそうです。大きくもなく小さくもない。一枚で着た時と上からジャケットを羽織った時。どちらのバランスも良いなと思いました。決して普通ではないけど、なんて事ない白いTシャツをCLASSが作る。それを着る満足感が高いです。改めて白いTシャツの良さを感じさせてくれました。
CLASS / LIKE T-SHIRT (sold)
白いTシャツをめちゃくちゃ大きくしたデザイン。すごく心地よい生地を身体全体を覆い被せてくれます。でもただ、大きいサイズの服を着ているってのとは違っていて、身体と合わせた時のバランスがそれとは全然違う。解放された気分でそれはとても清々しく、肯定的です。尚且つ何と合わせるかは無限で面白い。こちらも受け手が自由な発想で好きなように着る。それはまるでCLASSを体現しているような気がします。