INSIDE MY GLASS DOORS
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PROJECTbyH. in INSIDE MY GLASS DOORS
FW25 “Continuum”
2025.05.31SAT-06.03TUE

「Continuum」について

ヘッドフォンを装着し、ノルウェーのピアニストVetle NaeroのEP『Beginning Again』を再生する。耳元で優しく流れるピアノの音を聴きながら、私は自分の創作がその音と重なり合うイメージを抱く。一粒一粒落ちる音符は、まるで川の中に並んだ石を一歩一歩踏みしめて進んでいくようだ。一歩、二歩、三歩、四歩——そうして静かに前へ進んでいく。

昨年、「変化」について探求していたとき、私は気づいた。変化とは、時間の流れと同じだということを。ときには急激で、ときには緩やかに。一瞬にして激しく反転することもあれば、長い時間をかけて静かに押し寄せることもある。

それは、私が時間に抱く感覚と似ている。時間は決して静止することなく、常に流れ続ける。あらゆる瞬間は一度きりであり、私たちの体は次々と「今」という瞬間にぶつかっていく。だからこそ、私たちが本当に持っているのは「この瞬間」だけなのだ。

さまざまな選択を重ねる中で、生活も仕事も、大きな転換がまるで雪玉のように転がり続けた。押しつぶされないために、私はその雪玉を引き止めるしかなかった。毎日、逆方向に力をかけ続ければ、その勢いを少しでも緩められるかもしれない。あるいは、拡大を止めることも、縮小させることもできるかもしれない。

だからこそ、外から見ると静止しているように見えても、実際には、全力で保ち続けているバランスなのだ。

今ではもう、私たちが服を追いかけているのか、それとも服が私たちを追いかけているのか、分からなくなってしまった。ただひとつ確かなのは——

私たちが創作を続け、発信し続けることでしか、自分たちが本当に追い求めているものを見極めることはできない、ということだ。

「Continuum」——
それは、こうして歩き続ける中でふと立ち現れた想いだった。私たちの存在も、すべてのものも、絶え間ない変化の中にある。今シーズンの作品は、私たち自身の手で、その「絶えず移ろい続ける姿」を服を通して表現したものです。

Text by Henry Lee

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