暑がりで寒がりの僕は昔からカーディガンはよく着ていました。セーターとは違い、暑くなったらすぐ脱げて、寒くなったらパッと羽織れる。あとは”ちゃんとしてそう”な感じに見えるような気がしていました。僕にとってはとても理にかなった洋服です。このカーディガンを見た時、昔着ていたものと雰囲気が近いように感じ、懐かしい気分になりました。アメリカの40-50年代のあの雰囲気。それを研究し突き詰めた新しいプロダクト。純粋に着たいと思いました。糸はヘンリーネックと同じDRY WOOL。カリカリに強撚した糸を編み立てています。シャリシャリ、モチモチ。OLD STYLEではあるけれど新しい。そんなカーディガンです。
シェットランドウールと聞くと暖かいと想像します。防寒性がありしっかりしているイメージです。毛がしっかりしているからこそ、チクチクするのは避けられません。しかし、このシェットランドウールは思っているチクチクがありませんでした。あえて強く撚りをかける事でドライタッチにして、チクチクの原因となる差し毛を少なくしているそうです。元々丈夫な糸がさらに丈夫になって、肌あたりが良くなる。素材の特性を活かしながら異なる側面を生み出す。ただただ凄いなと感じました。デザインはアメリカ海軍のGOBセーター、この落ち着いた赤が目に止まりました。
通販が入って一安心。イベントが終わると少し落ち着く。来店も少ない。観光客の人もあまり来ない。台湾出張の事とか、地下のディスプレイをガッツリ変更する。ちょっと気分が変わって気持ちが良い。
クルーキットのコートにHollie WardのジャケットにCOMOLIのサーマル、daisuke tanabeのベンタイルのパンツ。靴はPETROSOLAUMのHIDDEN DERBY。部屋の中でツイードのジャケットはまだ少し暑い。けど着心地が良いから着たくなる。本当に良いジャケットだ。イベント最終日。お店を開けようとすると前にYさんが歩いていたので、入ってもらう。今日は娘さんとお出かけの予定だったけど、化粧が上手くいかずもう行かない!となったので来てくれたらしい。daisuke tanabeを見たり、今後入ってくる洋服の写真を見る。僕が着ていたHollie Wardのジャケットを試着する。『この古い感じが良いですねぇ、年齢的にもこういうの着たい。』と言われるも、ちょっと狙っているコートがまだ届いていないので検討するとの事。そのコートとも合いそうだなぁと妄想する。以前何度か来られた事のある方が来店。daisuke tanabeは知らなかったらしく、二人で可愛い!と言い合っている。シルクのヘリンボーンが気になるようで全て試着してくれた。丈の短いブルゾンが気に入った様子。ムートンのキャップも被る。こっちもしっくりきているようだ。『ジャケットは買いやろ?』とお連れさんが言うと『えー、帽子も欲しい。。』と悩みながら持っているコートと帽子が合うか、ジャケットと何が合うか二人で言い合っているのを遠くから眺める。たまに意見を言う。それを何度か繰り返し、決断する。夕方デザイナーの大祐くんが来る。期間中どうだったか、こんな事があった、こんな人が来たとか色々話をした。何となく目標としていた売り上げも大きく上回ったので良かった。次は少し違ったやり方でイベントが出来たら良いなと思う。
TochcaのGuidiアノラックにrenomaのロンT、daisuke tanabeのベンタイルのパンツ。PETROSOLAUMの象革のブーツを履く。アノラックはもう大分着ているけど、天崎さんのアノラックを見るとまだまだだなぁと感じる。ほぼ毎日着ないとあそこまではいかない。今年こそは!と思うけど、色々着たくなってしまうので気長に頑張ろうと思う。
Hollie Wardのジャケットの中に白T、daisuke tanabeのブラックデニム。SONOMITSUのボタンブーツを履く。今日は阪神タイガースのパレードが御堂筋で行われている。2年前?もそうだったけど、御堂筋に人が一杯で移動できない人たちがこの丼池筋を通る。ガヤガヤしている平日以上の人通りだ。しかしお店が忙しくなることはない。阪神という目的があって来ている人がふらっと入ってきて洋服を買うことはほぼないと思う。前もそうだったことを思い出す。駅も一杯だから本町に来る人が実質少なくなるのだ。という訳でそんな人通りをきみえと一緒にぼーっと眺めている。外の世界と内の世界が大きなガラス戸を隔てて区切られている感じ。あっ、そういうお店だったんだ。そんな事を考えながら眺める。それも悪くない。パレードが終わり、いつもの丼池に戻った頃、TくんとHさんが来てくれた。Tくんはdaisuke tanabeを一通り試着する。Hさんはクルーキットの手縫いのコートを見にきてくれた。あまりにも格好良すぎた。裏っ返してブラウンを表にするとチラッとチェックが見える。それがまた良い。写真すら撮れなかったけど、そういう洋服があっても良いよね。と思う。お店に来て、知らないものに出会う楽しさは変え難いものなのだ。
Hollie Wardのジャケットににdaisuke tanabeのベンタイルパンツ。PETROSOLAUMのサイドゴアを履く。Iさんが来店する。前にムートンのスカートの話をして、気になると言われていたけど完売していた。残念そうにしていたけど、ムートンの巻物とフライトキャップを試着する。目がキラキラしていた。前回迷っていたwritten byのカーディガンに合わせてみては?と持っていくと『いやいや欲しくなるから、これの事触れなかったのに〜』と合わせてみる。スカートより安いから良っかーという事になる。週末に来てくれたYさんも来店。ムートンのジャケットをどうしようか悩んでいたけど、『北海道によく出張行くからめっちゃ着ると思うんですよねぇ。買うつもりで来たんですけどね。』と自分に良い聞かせているようにも見えた。袋を用意していると、『そのまま来て帰るので袋良いですよ!』と。自宅が近くなので着て帰り、置いて来るとの事だった。羨ましい。。夕方過ぎにHくんが来店。彼もパートナーさんと週末に来てくれていた。その時はAVMのマリッジリングをつけました!と見せに来てくれた。新婚旅行でフィンランドに行くそうで、ムートンのフライトキャップの写真を見てこれだ!と思ったらしい。週末は決めきれず、持ち帰っていた。『これ被ってフィンランド行きます!』そう言ってくれた。人が物を買う理由は色々ある。その理由をこのお店で見つけてもらえているのは本当に嬉しいと思う。きっとその理由があれば、記憶として残っていくと信じている。
少し前にシティガイドを見て、とフランスのパリから少しお年を召された男性が来られました。生地がくったりと馴染んだコートを着ていました。裾が広がっていなくてスッと縦のラインが美しくて、襟にカラフルなストールを巻いていてバッグもシューズも何一つ度無駄がなかった。年々、服にも利便性ばかり求めてしまっている。”好き”とか”気に入った”とかそれって理由もなく楽しいなと彼を見て思った。それに、上質なカシミアのニットを着た時はダウンって訳にはいかない時もあると思う。もちろんどのように合わせるかは自由で無限だけど、クラシックな1枚を手元にあるってだけでこの先歳を取るのが楽しくなる気がします。
クルーキットの黒いコートにdaisuke tanabeのパーカ、daisuke tanabeのブラックデニム。PETROSOLAUMのサイドゴアを履く。何だか黒くなった。イベント5日目。ちょっとディスプレイを変える。ラックに掛けると見上げるような形になる。洋服を見上げるってあまり無い。でも1つ1つがちゃんと見える。洋服としっかり向き合えるような気がする。だからこの高さが気に入っている。男性が来店する。何だか見覚えがあるような・・と思っていると『白い生地でプリントしている鞄ありますか?』と言われる。その言葉で思い出した。夏頃written byのイベントをしていた時に偶然通りがかり入ってきてくれた人だった。東京から関西万博の仕事で11月頃まで大阪にいると話をしていた。その時に一点だけ展示していた鞄を見て、入荷したら買いにきます!と言われていて、本当に来てくれたのだった。他にも色々見てくれて、試着もしてくれた。『欲しくなるものばかりで困ります。。』と嬉しい言葉を頂いた。今月で帰るそう。また大阪に来た時には来てほしいなと思った。東京のHさんからメッセージが来る。『今日大阪にいるんですけど、開いてますか?』と出張で来られているらしく夕方に来店される。daisuke tanabeを見てみたかったとの事。革ジャンをめちゃくちゃ悩まれていた。似合ってた。他にもいくつか試着をする。いくつか選んで配送する事に。革ジャンは検討しますとの事だった。あまりレザージャケットを着てこなかった人にもdaisuke tanabeの洋服は何かが響くみたいだ。ある意味僕もそんな気がする。
サンクトペテルブルクの工房にて手作りされているAFOURの革靴のようなスニーカー。特殊なマット加工を施した経年変化を楽しめるオイルドヌバックレザー。ライニングにはベジタブルタンニン鞣しのレザーを使っていて、優しく、しっかりと包まれる様な履き心地。ソールが固目なので体感としては長時間着用、歩いていても疲れにくく、どこまでも歩きたくなる様な、そんな気分にさせてくれる。防水加工も施されているので、雨の日用としても使いやすい。ふと足元を見た時に革靴を穿いているかのような、心の躍る感覚があり道具としての用途だけではなく高揚した気分を味わえる素晴らしい靴だと感じている。スニーカーでそんな気分になる事はそう多くはない。