Kota Gushikenのコレクションは彼が体験したことがテーマになる。このお猿さんは、彼が新潟に出張し、入った居酒屋さんの壁に美しい猿の絵のラベルのビールのポスターが貼ってあった。それが新潟の酒蔵の八海山が出しているビールだったと知り、翌日に卸先さんにその事を話したら担当の方を知っているとなり(そんな事ある?!って思うけど彼らしい……)で八海山の方とそのお猿さんを描いたアーティストの方と繋がり、コラボが実現した。それがこのニットカーディガン。ふと思ったのだけど(今回のシーズンテーマが自己紹介ってのもあって)今までのコレクションはそうやって彼の体験や考えた事という物質ではないものがニットという物質に変わり、私たちの手元にある。言い換えればニットを通して彼の体験や考えを知ることになる。なっている。猿倉山という場所、そこで酒造しているビール、アーティストの今井龍満さんという方。知らなかった世界を知り広くなる。彼の温かさだったり驚きなども知る。今、目の前にある読みかけのエッセイと一緒だと思った。ずっと彼のエッセイみたいなのものを読んでいる感じで、本と違うのはそこに着る人のエピソードが乗っかる事だなと。そんな物質は他にはあるのだろうか?とぼんやり考えてる。(今回のシーズンテーマが自己紹介ってのもあって)では、ニットの話。前はシンプルにゆったりしたシルエット。後ろはお猿さんの絵が美しくかっこよく描かれている。毛足の長い糸が使われているのもカジュアルすぎず、でも上品すぎないのも良くて、ヤンチャな感じで着たい。。ビール瓶持って歩く感じが似合うと思うのだけどどうだろう?
Jamieson’sはスコットランドにあるシェットランド島で羊を育て紡績して染め柄を組み編んで販売する工程を全て自社で行なっている会社だそうです。そのJamieson’sとKota Gushikenとのコラボレーションニットです。AW2023のニットもあります。そちらにも記事があるのでよかったら読んでください。今回はVネックが印象的なベスト。ベストがとても好きなんだけど、どうしてか?考えた。洋服なんだけど少しストールとか帽子に近い気がする。アクセサリーのように扱うこともできるし、合わせるものにより印象が変わるから、自分の気分に寄せる事ができる。なんなら、赤ちゃんの時からベストはよく着せられていて長い付き合いだ。どうやらベストは脱ぎ着できやすいし体温調整するのによかったらしい。確かに、ニットのベストは暖かいし暑すぎない。Jamieson’sとKota Gushikenのニットベストはたくさんの色が使われている(肩の部分のブルーとか綺麗だなとうっとりする。)クラシックな印象の柄と大胆なフォルムのベストが異様に合っていて、シンプルに合わせても良いし、柄のシャツなんかも合わせてみたくなる。その時の気分で楽しんで暖めてください。
綺麗だけど綺麗すぎない。カジュアルになれるけどカジュアル過ぎる事はない。どんな場面でも雰囲気の合う03の美しい木型。サイドジップの新しいデザインです。シューレースの靴のようにフィットを調整するのが難しいデザインだがしっかりと足首が固定され心地良いフィット感。余計な装飾もなく削ぎ落とされたミニマムな部分と、馴染みやすいオイルソフトキップレザーの柔らかい質感とすごくバランスが良いと感じました。
KURTA SHIRTと同様に日本の作業着として作られていた生地。現在でも1日に30mしか織る事が出来ないシャトル織機でゆっくり、空気を含みながら織られています。インディゴの糸と柘榴の木の皮で染めた草木染めした糸。異なる色の糸を折り合わせた素材。見る角度によって黄色が浮き出て見えたりインディゴが強く見えたり。ムラのように感じる色合いが面白い。労働着として作られてきた生地なので、すごく丈夫です。着る度に馴染んでいきます。そしてインディゴと草木染めの色の変化も楽しめる。上品なETERNAL SHIRTのデザインにワークウェアの要素と天然の染色が絶妙に混じり合うシャツ。
アーティストのADRIAN TESTARDとコラボレーションによる雨に濡れて滲んだようなオリジナルの花柄プリント。イギリスのリバティプリントからのアイディア。どことなくクラシックだけどモダンでイギリスの古い映画を思わせるそんなオリジナルの生地はseya.らしい色使いと綺麗になりすぎないざらついた生地と透け感。その日の気分で1枚で主役に持ってくるのも良いし、ニットなどの中に入れてアクセントにしても良い。こういう大人っぽさが漂った遊び。みたいなニュアンスがそろそろ似合う頃なんじゃないかな?したいなーと思う。
首元の収まりが気に入っている定番のクルタシャツ。今回は節織のコットンで日本の作業着として作られていた生地。現在でも1日に30mしか織る事が出来ないシャトル織機でゆっくり、空気を含みながら織られています。だから着用を繰り返す事で柔らかくなり、経年変化を楽しめるのです。少し発色を抑えたレンガ色。同系色で組み合わせたり、デニムも穿きたい。羽織ると少しだけ秋の気分になりました。
その土地の空気を切り取り、Tシャツに収める。その空気を心地よく感じられるものに出会える事は多くありません。主観ですがセヤのTシャツはその心地良さを毎回感じられ、集めたくなっている自分がいます。セヤのルックブックを撮影しているJeff Boudreauさんがイギリス北東海岸で撮った写真を肩先と首元まで大胆にプリントしています。脇線を後ろに少しずらして立体的に、袖は2枚のパーツで構成した凝ったディテールのTシャツ。
Kota Gushikenの卒業コレクションでランウェイを歩くMona san(モナリザ)は大胆で首が揺れる感じで可愛かった。次に見たMona sanは髪の糸や洋服の糸などが違う種類で表現されていて、繊細でかわいかった。Mona sanを発表した時に世界初のモナリザの後ろ姿です。って言ったら先生たちがWow!ってなったというエピソードを聞いてそのエピソードがすごく好きになった。そして、元々はバスキアのモナリザの柄からニットを作ったのだと今回知った。ダヴィンチのモナリザはあのモナリザ。バスキアのモナリザはバスキアで、Kota GushikenのモナリザはもうKota Gushikenだなってなった。個人的にKota Gushikenのボーダーの色合わせが大好きなのだけど、完璧にまでも絶妙でノイズになりそうでならない色合わせが上手いなーって思う。今回は絵画のバッググランドの森や川や地面をボーダーに置き換えていて、フワフワしたベースも相まってMona sanを薄目で見ているみたいにボヤっとしているのが可愛いと思って一番ボヤっとしている色目を選びました。どうだろう、KotaGushikenのモナリザを着てみたら案外いろんなこと楽しくなりそうな気がするんだけど、そういう服ってそうそうないしね。
このデニムパンツを見て、daiske tanabeに興味を持ちました。とてつもなくワイドだけどなんだかキレイ。ブラックデニムなのに茶色に見える。その気になるを解消する為に会いに行きました。穿いてみると腰回りはダボつく事はなくフィットしスッキリ見える。茶色く見えたのは経糸には硫化染めした黒い糸を緯糸には茶綿を使っているそうだ。だから真っ黒でなくて茶色を感じたのだった。その黒と茶綿を旧式の織機でゆっくり織り上げたオリジナルセルヴィッチデニム。ボタンは無垢の鉄製、リベットはアルミ。経年変化が楽しみなパーツと生地。新感覚なデニム、ちょっと違った雰囲気を楽しめます。
あのブランドのスウィングトップを裏返した、そんなデザインのスウィングトップ。僕たちはよく洋服を裏っ返して着ます。良い洋服って裏も綺麗で見せたくなるからです。それを体現してくれているような気がしました。ライニングを外すと単体でベストのようにも使え、本体は少しだけシンプルに。付けたり外したり、楽しい洋服。袖の表地がライニングなので、コートを羽織る際にも滑りが良く、チラッと見える裏地のような表地が視覚的に混乱しそうで面白いなと。クセは強いけど、着心地も良くて高揚できる。そんな洋服が改めて好きだなと感じました。
seya.のシャツやジャケットを着ると背筋が伸びるような、シャキッとした気分になります。でも優しく包まれている感じもして、つい手が伸びてしまうのです。そして長く着れば着るほどに自分の体に馴染んでくる気がしています。そうなるともっともっとseya.が着たくなるのです。今回も味わいのある素材、色がとても魅力的です。シャツとカットソーはサイズ4も入れてみました。今まで合わなかった人はぜひ試してみてください。