しかし暑い。きっとそれは湿気のせいだと思う。毎年の事なので分かっていたはずなのに、あたかも突然やってきたような気がしてしまう。癖毛の私の髪はウネウネしはじめ、とても不快である。去年このTシャツを見てそれを思い出し、仕入れる事にしたのだった。ご紹介する前に少なくなってきていて、”今必要だ”となって、慌てて紹介している。suzusanは400年以上にわたり、名古屋市有松に伝わる染色技法である有松鳴海絞りを家業の軸に据えてこられた。染めの技術はもちろん素晴らしいが、それだけではなく、生地にもすごく拘りを感じる。上質で心地が良い。このTシャツはオーガニックコットンで柔らかくしっとりしている。分厚くないので汗をかいた時のあの不快感が和らぐ。着続ける事により柔らかさが増す事を想像できる。そして、絞り染めで表現した顔が”エヘ”と笑っている。suzusanの洋服を着たいなと思う背景には、伝統的なものや、自分たちの土地で採れたものを食べたい。とかそんな気持ちに近いものがある気がする。ずっとずっと受け継がれて欲しい。そう願う。
手刷りのシルクスクリーン。刷る人が手で版にインクをのせてスキージを使って押し付けるようにプリントします。自然な版ずれが起きて微妙な色の重なりやぼかしが生まれます。人の手が加わっていることが感じられ、そこには物だけではなくプロセスの美しさが内包されていて、それは手作業だからこそ伝わる部分だと思います。この生地で作られたシャツとパンツが展示されていて、色合いの美しさに惹かれ選びました。しかし僕の中ではショーツが良いなと。その場でデザイナーの津村さんに相談すると、快諾してくれました。という訳で、暑い日々を楽しめるショーツを穿いて夏を楽しみましょう。
タンクトップに書いたのですが、その上に着るそれなりのジャケットの1つがこちらのrenomaのウルトラスウェードをパンチングしたジャケット。タンクトップにジーパン。上にバサっと”それなり”のジャケットを羽織って街を歩くなんてすごく都会っぽくて大人で昼でも夜みたいでカッコ良いなと憧れたりしていたけど、昔憧れていたその年齢にも近づいてきて、追い越したりもしていて、着てみると追い付いていて、あれ?着れる。ってなってる。スーツで使われるような俗に言うきちっとした生地で仕立てられたジャケットではなくて、”なにこれ?”って聞かれそうな遊んでる生地だから逃げ場があって安心さえ与えてくれる。タンクトップ同様にグッと背伸びして着る憧れで着て欲しいし、けっこうな大人になったと堂々と着て欲しいと思います。
デニムパンツ。ある意味すでに完成されているものであり、それを目指して作られているものがほとんどで。それはそれで素晴らしいし、昔から、今でもデニムパンツは大好きだ。オマールのこのデニムはその着地点が異なっている。そもそもそこを狙っている訳でもない。だからこそ新鮮に感じ、魅力的に見えたのかもしれない。バギーシルエット。顔料による製品染め。ワークウェアのようなネイヴィ。所々ムラがある。使い古されたような雰囲気。良いパンツだなと思った。
十津川村に漂う空気、空や川、森。雲。あの大きな自然を目の前にした時、もっと大きな何かがそこに存在していて、自分たち人間がとてもちっぽけに感じる。まるで吸い込まれるような引き寄せられるような。そんな感覚になり圧倒してしまう。CLOUDという雲の色。両面パイル地の生地はオーガニックコットンで吊り編み機で作られている生地。柔らかくモチッとした肌触りは素肌に着たくなる。リブはテンションが緩めで締め付けがない。心地よく優しいスウェットだ。
90年代、古着屋さんを駆け回って探して着ていた軍物のハーフジップスウェット。去年お客さんがヴィンテージを着ているのを見て、また着たいなと思っていて探してみるも、なかなか見つからない。あるけどサイズが小さいものばかり。そんな事を思っていると、カウチンと同じようにSlopeslowがタイミングよく作ってくれていた。フランスのリネンとオーガニックコットンの裏毛。初めからクタッとしていて、着心地がすごく良かった。あの固い裏毛を馴染ませていくのも楽しいけど、そこまで着込むのは難しい。だから初めから小慣れている雰囲気こそ今は良いのかもしれないと思った。
seya.の色はいつも繊細で他にはない表現でseyaさんっぽいなっとなる。そしていつも色の名前を確認するのが好きだ、と言うのも……こちらの色の名前は”FOG”と付けられている。FOG=霧 今回はコレクションはTOTUKAWA(十津川)色の名前で山々から霧が降りてくるのを想像しながら、この洋服を見ると短い話を読む気分になる。白色に一滴も満たないグレーとグリーンを落としたような色目は涼しいリネン生地とドレープの出るモダールでとにかく綺麗で軽い。フードがついたシャツのような羽織。ゆとりがあるので、今は厚めのもを着て、シャツを着てTシャツを着てタンクトップも着て。とそこは自由に季節と共に楽しんで欲しい。
今読んでいる本の話なのだが、九谷焼だが模様がついておらず無地で夜が明けるような紫を帯びた茄子紺色の器に淡い緑色した何かの茎を輪切りにした食べ物が入っていた。それを口にしたけど初めての食べ物だった。(以下原文のママ)そういう食べ物や飲みものがその入れ物に負けない驚きが楽しみに変わってそれに浸っていると不思議な気分になるものである。とあった。
レザーが好きで革でできた商品が結構多い。革で作られている洋服着ている時に、バッグどうする?ってなることがある。革靴を履いてると、余計に、ちょっと重すぎるな…..てなる時もある。だから布で出来たバッグはあるとそういう時に重宝するという理由で気に入ったら仕入れている。オマールがオリジナルで製作したジャガード織、この生地は気に入ってパンツを仕入れた。だから、バッグもこちらの柄にした。四角なんだけど三角のような立体感のあるボックスのようだけどひらりと薄いような。視覚的にもユニークで洋服の1部のようにも見える。結局のところ、レザーのバッグも好きだし、布で出来たバッグも好きだ。結果バッグが好きだ。シャツにパンツを合わせるようにバッグもこれが合うな?とかこの感じが気分だなぁとかしたいじゃないですか??????
アクセサリーが好きなのだけど、お守りのように毎日つけるモノと同時にその日の洋服に合わせて付け加えるものがある。同じような感覚なのがネクタイなのかな。そのように、ベストも色々と合わせ方により いつも が いつも じゃなくなる。使われている生地は手刷りのシルクスクリーンプリントが施されたコットン。機械ではないので、自然な版ズレが起きて微妙な色の重なりと少しボヤッとした感じが魅力的な生地。肩幅が広い方だから、カモフラージュにもなるので重宝する(同じ悩みをお持ちの方はぜひ試してほしい)。このベストはプリミティブで建築的な立体感がある。身幅がそれなりにあるのでシャツはもちろんジャケットやニットの上にから着ても良い。と、何かとベストは開放感があって自由でユニークで楽しい。
生地やデザイン、スペックなどを気にって着たいと思う。場合と。何かと組み合わせたいから着たい。場合と。パッションで着たい。場合がある。人それぞれと言ってしまえばそれまでなんだけど。本当にそれぞれで、その着たいと思う欲みたいなものが”健康的”だなと最近よく思う。ペラペラしていなくてハイスペックな(ストレッチが効いた撥水のナイロン)の生地に惹かれた。ニットなんかにも合わせたいなと思った。そしたら、プリミティブで建築的な立体感のあるベストが届き、これとも合わせたいなとか…どんどん自由になっていく。ちょっと癖がある生地の洋服なんかにも合わせたりしたら落ち着く。塩梅を整えてくれるわけで….ペラペラしていないこういうのを持っておいたらその日から結構先まであらゆる場面で重宝するから1枚クローゼットに置いとくと変身も出来るしあるがままでも居れる。
丈が絶妙に違和感があり、横から見たら立体的になっていて、これも引っ張られたみたいな違和感がある。生地は見た目と反して薄く心地がよい。そして程よく緩い。日常にはそれだけを聞くと不快でしかない音があるが、何かと混ざることにより心地良く、中毒性さえも感じるほど聴きたくなる音というのがある。イエローペッパーというほとんど日本で流通していないそうだけど、すごく辛い。それと洋梨と色々混ざったソースを味わった。一見相反するものを絶妙に調理すると、それはどっかに飛んでいきそうなくらい美味しくなる。それらは、音を作る人や料理を調理する人たちにより私たちは新しい世界を知る。Omar Afridiもそれと同じで、そのようなバランスを教えてくれる。後は、何かを少し足したり引いたりして春夏楽しんでほしい。