一見シンプルなスラックスに見えました。ドレープが効きそうな柔らかい生地でその雰囲気に先ず惹かれました。よく見ると近い色調の異素材が使われていてチェックが重なっているように見えました。初めにオリジナルのチェック柄を作り、パンツの大きさいっぱいに拡大します。そして異素材を使い前後にチェックを施したそうです。小さなチェックと大きなチェックが視覚的に交差し、調和の取れたスラックスです。総パーツ数98という想像できない工程を経て完成しました。
花や鳥。本来は可愛らしいはずのモチーフなのに、不思議とそれを超える「格好良さ」を感じました。それはカウレザーという素材の持つ重厚さから来るのか、あるいはモチーフの大きさや配置のバランスによるものなのか。おそらく、これこそが“デザインの力”なのかもしれません。甘織りの柔らかなホワイトデニムに、カウレザーでパッチワークを施した一本。洗いをかけクッタリとしたデニムと、レザーの質感。その対比が面白いと思いました。すべてアトリエで時間をかけ製作された特別な一着です。
COMOLIのブラックデニムシリーズ、この前ジャケットを購入してくれた方が『パンツまだありますか?この感じならセットアップにしても良さそうだなと思って』と来店される。このパターン何名かおられた。同じ生地で上下があると結局欲しくなるという傾向はあるけど、デニムではあまりない。確かにテーラードジャケットにスラックスのセットアップと比べると格段に気楽だ。そういう意味ではあえて上下で着るのも良いのかもしれないと思った。先週、daisuke tanabeのムートンジャケットが入荷した。色と革の質、デザインどれも最高に気に入ってしまい、ちょっとビビりながら多めに仕入れた。このデザインだと黒だとゴージャスな感じがするし、茶色だとほっこりしてしまう気がする。青銅器という色をイメージしたというのもすごくよかった。しかし売れなかったら大惨事だ。大丈夫と言い聞かせる。そしたら早速買いにきてくれた。数日前に問い合わせをくれていた方だった。似合っていたし、僕もやっぱり欲しい。羨ましい。
袖を通す、通さない。片方だけ通す。ただ首に巻くだけ。そんなふうに想像力を掻き立てられて、思わず色々と試したくなる洋服です。格好良い洋服を着て高揚するという感覚とは少し違い、ワクワクする――「ワクワクしたい」と言う方がしっくりくるかもしれません。「どうやって着るの?」と思うかな?といくつか例を写真でご紹介しています。けれど、実際に使っていくうちに、僕たち自身もまだ気づいていないような着方や巻き方に出会い、「なるほど!」と新しい発見がある気がします。そんなワクワクを与えてくれる洋服は、そう多くはありません。Kota Gushikenのデザインを柔軟に受け止める Jamieson’s とのコラボレーションによる一枚。さらに、Jamieson’sのかわいいコースターが1つ付属しています。きっと使う人それぞれの工夫や発見が加わって、さらに面白い存在になっていくと思います。
一年ほど、このデニムパンツを穿き込んでみました。ハリが無くなり、くったりと馴染んでいます。色落ちはまだゆっくりですが、他とは違った変化の兆しが感じられました。
今日もかなり沢山の人が来てくれた。9月後半の追い込みがすごい。助かる。今日は久しぶりに前職の前のお店の頃から来てくれているN君が来てくれた。計算するとかれこれ20年近くなる。あーもうそんなに経つのかぁと思うのと、人生の半分くらい通ってくれている事に感謝しかないなぁと感じる。1番最初に買ってくれたブーツを履いてきてくれた。『見せようと思って』と。すごいなぁ、こんなに長く、大切に履いてもらえて靴も幸せ者だと思った。長くこの仕事を続けているのがすごいとは別に思わないけど、誰かの人生の一欠片になれているのかもしれないと思うと嬉しくなる。洋服は裏切らない。何かしんどい事があったとしても、良いことがあったとしても、何も言わず常に寄り添ってくれる。誰かにとってそんな洋服を提供していきたい。たくさん来店があったし、今日は良い1日だったな。
久しぶりにTさん夫妻が来店。あとできみえから聞いたけど、最近引越ししたらしく少し遠くなったらしい。多分身長180以上あって運動もされているので体格も良い。中々サイズの合う服がなかったけど好きな雰囲気、合うサイズがわかってきたので、それもイメージしながら仕入れる物を考えている。だから合うと思うものを地下から持ってくる。seyaのジャケットとCOMOLIのブラックデニムを試着する。妻さんが『クラシックな雰囲気が好きだけど硬いのはあまり好きじゃない、でもそのジャケット良い感じにくったりしてて良い!』との事。妻さんはお好きなKota Gushikenとか思い思いに試着して持っている服との相性とかをイメージしている。お二人とも服が似合うというか着慣れているなぁといつも思う。カルフォルニアから観光客の方が来店。スマホを見ながら入ってきたので、おそらく目掛けて来てくれたのだと思う。地下もあります、というのを伝えるのに慣れてきた。大体の方が喜んでくれる。Yさんは初クルーキット。嬉しかった。『今週ウェスアンダーソンの映画見ましたよ!』というと『僕も見ました!その後に鬼滅見ました。』と。1日に2本見れるのがすごい。頭が混乱しそうだと思ってたら3本の時もあるらしい。きみえも昔はそうやってみていたと言っていた。一日映画館に入り浸るのも良いなと思った。
去年バックにハンドペイントを施してあったデザインと同じでペイントのないシンプルなカバーオールです。お客さんが『ペイントの無いものもあったら良いなぁ』と言われていて、実際に展示会に行くとあったのでびっくりしました。甘織のブラックデニム。デニムとは思えないほど柔らかくて初めから体に馴染む感じがします。襟裏は黒いレザーが使われていて、立てても雰囲気が良いです。ライニングはナイロンでとても滑りが良いです。気分を変えたい時、たまには裏っ返して着るのも良いかもしれません。クラシックながら遊びのきいたカバーオールです。
暑い暑いと言いながらも、季節というのは進むもので涼しく感じる時間が増えてきました。お店にはどんどん秋冬物が届いているのですが、お客さんの反応を見ていると少しずつリアルに感じられるようになったと思います。そんな中、daisuke tanabeから個人的に1番欲しいと思ったアウターが届きました。ムートンです。きみえがムートン良いよ!ムートン良いよ!と毎年のように言っていました。レザーのジャケットはいくつか持っていますが、ムートンは持っておらず着たことがありませんでした。だからどんどん興味が増していきました。これ!というのに出会えたら仕入れようと決めていました。そして去年、このムートンに出会ってしまったのです。モチモチ、フワフワ、軽くて。体を優しく自然な暖かさが包んでくれました。さらに色です。青銅器のようなくすんだブルー。この曖昧なニュアンスの色がすごく好きです。裏のキャメル色との配色も気に入りました。
雨が降っても出掛けようと思わせてくれる靴です。街履きだけど、トレッキングのデザインで短靴。ノルウェイジャン製法でビブラムソール。本格的な作りだからこそ普段歩くのにもちょうど良いと感じました。定番の革やマリヤムでも良かったのですが、そろそろもう1足欲しいというお声もあったので、防水レザーを使いレインシューズにしました。この革は雨の日限定という訳ではありません。シワの入り方も美しく、艶も出ます。雨の日も靴が濡れてしまう事を気にせず、最大限に、いつでも楽しめる靴なのです。