ベルギーはアントワープのデザイナー”JAN-JAN VAN ESSCHE”とのコラボレーションから生まれたチロリアンシューズ。オイルをたっぷり含んだホースレザーを表裏で使っている。ビブラムソールで地面が濡れていても安心。カップインソールはフカフカでまるで雲の上を歩いているような履き心地だ。
新作で特にオススメなのがサイドゴアブーツ。サイドにエラスティックを配し、カジュアル過ぎない趣と03の美しい木型とのバランスがとても良い。サンプルで使われている革はCORDVAN BUTT(コードヴァン層とその周りのスエード部が一緒になった革)で一見ブラックに見えるが革の断面を見ると茶色が見える。実は茶色の革を黒に染めた新色なのである。限りなく黒に近い茶色。光の当たり方によって印象が変わる。黒がお好きな方も茶がお好きな方も違和感無く履ける色ではないだろうか。サイドゴアは着脱が容易に出来る。単純に楽だし、履き脱ぎの多い日本ではある意味適した形と言える。そしてデザイン上面が広い為、履き込めばコードヴァン特有の良いシワが入る。経年変化も楽しみな革靴だ。
靴とは人にとって歩く為には必要な物であり、毎日と言って良い程履く物である。世の中には沢山の靴が作られているが、ちゃんと作られている靴は造形的な美しさもあり、”見る”という事すら楽しく思える。実際に足を入れた時にはそれ以上の高揚感を覚える事もある。そしていつもの洋服に靴を変えるだけで、印象がガラッと変わる。何だか自信が付いたようにさえ思う。靴というのはこんなにも小さいのに大きな影響を与えてくれるのだ。だから靴というのは自分自身の軸をしっかり固めてくれる存在なのだと思っている。PETROSOLAUMの靴は造形的にも美しく、とても歩き易い。きっと特別で定番になれる靴の出会う事が出来ると思う。
シルクという素材は光沢がありサラリとした肌触りが好みだ。あえて洗濯機で洗ってシワ感を出して楽しんだりもしている。扱い方によって表情が変わる、コットンやリネンとはまた違った良さが味わえる素材である。ウエストベンガルの伝統的な手織りのシルク生地に手刺繍を施している。刺繍の糸は蛍光色の黄色と赤色。大きく綺麗な貝ボタンを留める糸は赤色を使っている。シルク自体にも発色の綺麗な色が使われていて、色の組み合わせが何とも絶妙である。所謂、工芸品のような趣ではなくファッションとして純粋に格好良い。沢山の要素(色)がある分、パンツの色はあまり選ばないので何も考えず羽織るだけで様になるカバーオールだ。
2回目のパーソナルオーダーイベントを行う事になりました。期間中のみご自身の一足が作れるという特別な期間です。今回も03の木型をメインに並べますが、01と02もご用意がございますので是非ご覧頂ければと思います。今回のタイトルはPRINCIPLE。本質や物に対する原動力という意味合いから、皆さんにとって一日の活力や原動力になる靴を選んで欲しい、という思いを込めました。PETROSOLAUMの靴はとても歩き易く、1日履いていても疲れません。ベーシックだけど少し捻ったデザインも良い。そして革靴特有の高揚感が得られます。気に入った靴を履いていると1日のテンションが変わってくると思うのです。今回は月曜日からと変則的な日程ですが、平日はゆっくりとご覧頂けると思います。是非お越し下さいませ。
足を保護する道具としてのプロダクトと、アートピースとしてのプロダクトを高いレベルで融合させた物作りを目指すシューズブランド、PETROSOLAUM(ペテロオラウム)のオーダー会を行います。PETROSOLAUMは3つの木型を使用しています。ノーズの長さを持たせ、つま先のボリュームを持たせた01。幅に余裕を持たせ、つま先のボリュームを抑えた02。そして、昔のミリタリーラストをイメージソースとし、普遍的な形をPETROSOLAUMのフィルターを通して作り上げた現代的クラシックを表現した03。今回も前回同様ビスポークのテクニックを使い作り込んだ03の木型をメインに並べますが、01と02のモデルもご用意しております。期間中は各モデル、使える革と色、製法を選びパーソナルな1足をお作り致します。新作も多数ございます。皆様のご来店、お待ちしております。
昔からドラマや映画を見るのが好きだ。年齢を重ねた俳優さんはとても味があり、格好良く見える。そんな歳の取り方をしたいと思っているが、どうなるかはわからない。きっと洋服も同じで長い年月を帯びてきた物は空気感が違うように感じる。惹きつけられる何か、を纏っている。およそ150年前にフランスで生まれた消防士のジャケット。サイズ感は少しコンパクトだったので着用は出来なかったが、着れる人は本当に羨ましい。プルプルとしたリネンのヘリンボーン生地は元々真っ黒だったらしく、長い年月を掛けてセピア色にまでフェードしている。濃い部分や少し淡い部分があり、その濃淡が何とも美しい。決して狙ってはこうならない。人が様々な経験から形成されていく部分とこのジャケットが少しリンクしているように感じた。きっと人も洋服も同じである。
縁が合って堀尾さんというアーティストを知る。多くの作品の中で印象に残っているのが、色が何重も重なる作品と墨で一本潔く真っ直ぐに力強く描かれた作品があった。物事を頭や心で考えているだけではなく、それを形に起こす作業を垣間見た。今季のコンセプトを存分に感じられるデザインの半袖シャツ。前見頃に何重か重なった生地が配置されシルエットが面白く映る。さらに後ろにはたくさんのギャザーがあり空気を孕む。そのシルエットがユニークで唯一無二と言えるだろう。ご試着されたお客様が『前から見るのと後ろから見るのとでは正反対って言って良いくらいに印象が違う。』とそのユニークさを気に入ってくださった。色々あった2020年。だから出来たシャツな気もしました。どうだろう….
私たちはボタンが好きだ。昔話で申し訳ないが高校生の時、制服の白いシャツのボタンをこっそりお気に入りの木のボタンに変えていた。その木のボタンは当時祖母が、着れなくなったシャツのボタンは全て取り除いて保管してくれていたモノの1つだ。当たり前のように祖母はその行為を行い、ボタンは蜂蜜が入っていた大きな空瓶に沢山入っていて、貝殻のものや花の形のものレザーで包まれたモノなどボタンは宝石の様だった。昨日もご紹介したけれど、PROJECT by Hの石の削り出しボタンは存在感がある。Omar Afridiの洋服にはオリジナルのボタンが付いている、彼らを知ったのもボタンが始まりだ。服はもちろんボタンにも魅力を感じた。LILY1ST VINTAGEは様々な世界と時代のボタンを運んできてくれる。写真はファイヤーマン(消防士)の制服のボタン。ボタンから何の職業だったかも分かったりするのも面白い。The crooked Tailorは時々全ての色が違うボタンが付いている。古いワークウェアなどを見るとボタンが違うものがついている事がある。何度もボタンをつけ替えながら大切に使用していたのが分かる。そのオマージュなのかなと思っている。他にもボタンの綺麗なジャケットやシャツなどユニークなモノがある。最近、お客様からLILY1ST VINTAGEのハンティングジャケットのボタンが欠損しお預かりした。近い年代のボタンを探してもらい、それが届いてボタン付けをしながら今週の1階は”ボタン”をテーマにしようと決めた。見る視点を少し変えて洋服をご覧いただければと思います。
インディゴ染めとは魅力で溢れている。日本でも古くから行われてきた技法が故に知らず知らずの内に馴染みを持っているのか、あるいはリーバイスが作り出したジーンズから馴染みがあるのか。どちらにせよ、着て育てるという所がインディゴ染めの醍醐味の一つである。人それぞれ体格や着る回数や洗濯をする回数、使っている洗剤の成分など、言えばキリがないがそれだけ色の変化が異なってくるという事だ。濃淡がはっきりする場合や全体的に色が抜けていく場合もあって100人いれば100通りの変化が起こる。そのどれもが美しい。PROJECT by HのREVは縫う事自体大変そうなかなり重めの度詰天竺をシャツに仕立ててある。縫製後、手作業でインディゴ染めを施し深くなるまで染める。よく見れば石を削り出したボタンまで少し染まっているのが確認できた。シャツとして作られているが、羽織りとしても良いかもしれない。それだけしっかりしている。実際に着てみると、度詰天竺の伸縮がストレッチのように効いていてとても着易い。アームは少し細身なのでシワが良く入りそう。色落ちによるアタリが期待できそうだ。襟の大きさがコンパクトなので、立てても良い。真夏は暑くて着れそうにないが、それ以外の季節はいつでも着れる。つまり1年の4分の3は着込めるという事だ。
今回のテーマは”a comfy heal-th”デザイナー自身家にいる事が多くなり、自分の身体と心に向き合う時間が増えたらしく今まで関心の無かった植物や花に興味が出てきて一緒に生活をする事で妙な安心感があったそう。そういう時間を過ごして心地の良い、穏やかで、治癒の様な、健康的な何かを求めてる事に気付き、生活の中で洋服に関する煩わしさを軽減したり、着る人にとっても地球にとっても心地の良いものを・・そんな視点から出来たのが今回のコレクション。真夏にさらっと着れる半袖シャツを作りたくデザインを始めたそうで、部屋でも外でも着れてゆったりとしたデザイン、シワ加工が施されているのでシワも気にならない。くつろいでいる時も、ちょっと出掛ける時もそのまま着て行ける。このシャツは自分の時間を最大限楽しむ事ができる洋服ではないだろうか。シャリっとした生地は涼しげで、体との間の空間に風が通り抜けるので真夏に最適な半袖シャツである。綺麗な配色のストライプも気分が良い。ズルッと履いたパンツにサンダル。今年も夏を楽しもう。