コウタグシケンを店頭に出した。あっついのにニット。でも不思議と見たくもない!という気分にならない。新作が入ってくるとウキウキする。この感じが伝わっていたら良いなと思う。たまに来られる人で、1人で来る時はちゃんと話をしてくれるのにパートナーさんと2人で来る時は目も合わせないし、話しかけてもほぼ反応がない。どういうことだろ?と思うけど、話しかけられたくないのかなと思ったので、最近は話しかけないようにしている。何かしら理由があるのかもしれない。姫路から来ましたとご新規さん。雨の日に履ける靴を探しているそう。ペテロオラウムのチロリアンを検討しているらしいが、水が中に染み込んでくるので、そう伝える。僕が履いていたそのみつに興味を示し試着する。その前に僕が熱弁していたこともあるかしれないけど、足を入れた瞬間表情がガラッと変わる。ゴム底も勧める。履き心地が今まで感じたことのないくらい良いと言われる。Hさんがお仕事帰りに久々に来店。お盆も休みなしとのこと、お忙しいのは仕方ないけど体が心配でもある。相変わらず、パンツの太さの認識の違いがお互い埋まることはなく、平行線の話が続く。今日はクルーキットを取りに来てくれた。明日ニットの着画を撮るので、組み合わせをきみえと考える。この時期の撮影はなかなかきつい。
今日は暑い中、様々な人が入ってきた。いつもとは違う人たち。初めての人や東京から来てくれたり、やっと素性がハッキリして嬉しかったり。同じ場所にいつもいて、毎日違うことが起こる。季節によって光も違えば、着ている洋服も違う。通る人や車も異なり、並んでいる洋服も違う。そんな場所。僕たちの場所でもあり、みんなの場所でもある。久しぶりに昨日の夜スモークを見て、自分のやりたいこと、少し思い出せた気がする。
今日は祝日のため、お店を開ける。祝日といってもお盆だし世間はどちらにしろ休みなのかな。毎年お盆はそんなに来客は多くない。帰省の人がいたり、観光客の人がちらほら。そりゃどこかに行くやろなぁと思うけど、僕たちは待つ仕事なので、待つしかない。お店の動画を撮っていると、開いてる??と観光客のファミリーから声をかけられる。もちろん!とお店に入ってもらう。聞くとロスから来ていて、チュニジア生まれとのこと。手に取るのは日本のブランドが多く、色々試着もしてくれた。特にCLASSのデニムとseyaのジャケットが気に入っている様子だった。ジャケットは少し考えるらしく閉店時間を聞かれた。閉店時間を聞かれると戻ってこない確率が高いのは万国共通だろうか?
ジャケットやシャツやカーディガン、コートの中に着たときの見え方。結構そこを重視していたりします。ちらっと見えるプリントが『なんだか良いな』と思えるものと出会えることは多くありません。丸胴ボディの綿100%。程よいフィットなので一枚でも、インナーとしても成立します。色々な要素が集まって同じ空間に重なり合ったグラフィック。大きさと位置関係、色。それぞれがそれぞれの良さを最大限に引き出しているような。僕には感覚的にですが、これが良い!と思えるプリントでした。
古いフランスのワークシャツなどは作業をするためかアームが短めなものが多いです。いつもちょっと足りない感じが良いなと思っていて、クルーキットのシャツはその感覚を思い出させてくれました。
まるでシルクのように輝いていて、気持ち良いくらい真っ白です。袖を通すたびに心地よさを実感します。白いシャツ。常に最高な一枚を追い求めているような気がします。
僕たちが洋服を好きになった頃を思い出しました。だからちょっと懐かしくもあり、若い世代の人には新鮮に映るかもしれません。あの頃のムードを2枚重ねているように着られるなんて!と見た時は珍しくハイテンションになりました。肩が落ちるサイズ感、綿100のモチモチの裏毛が気持ち良いです。たくさんのスナップボタンはよくかけ間違えます。でもそれが案外良かったり。もちろん違う時もありますが、着る人の裁量に委ねてくれている感じがして、その余白が心地よいと思うのです。どの色にしようか、結局全部あっても良いよなぁ。と思いながらこのカーディガンを眺めています。
僕にとってジーパンは原点であり、永遠です。だからこそ、厳しい目で見てしまうのは仕方がありません。求めるところがちょっとずれているのかもと思いますが、普通のジーパンが良い、でもちょっと普通じゃない方が良い。そんな気持ちでこのジーパンを選びました。ワンウォッシュされたセルヴィッチデニム。ペインターパンツの要素が強いデザインのような気がします。裾はカットオフ、ウエストは大きく、後ろのベルトで調整するとベルトなしでも穿けます。バックポケットを見ると、ステッチだけしかありません。裏をのぞいてみるとポケットがありました。なるほど、裏っ返しても良いのか……。と思いましたが裏っ返して穿くとインディゴが足につくだろうなぁと思いました。結局普通に穿きそうです。使えないポケットがある。そんな振り切ったデザインがとても好きです。
削ぎ落とされたミニマルなデザインのZERO JACKET。ポケットは内ポケット一つだけ。サイドベンツが深いので、そこからパンツのポケットにアクセスしやすくなっています。とても軽やかで気楽に羽織れます。綺麗すぎず、野暮ったさもない。優しい雰囲気です。上質なヨーロッパ産の40/1 LINENの二重仕立て。たくさんの糸をとても贅沢に使っています。二重に織り上げる際に生地と生地の間にわずかな空間ができ、ふわっと丸みを帯びているようです。なので軽くて柔らかくて、肌あたりが良い。すごく着心地が良いです。着用を繰り返すと、柔らかくトロトロに。そしてアームには良いシワが入ります。リネンの経年変化を思う存分楽しめるジャケットだと思います。
その土地の空気を切り取り、Tシャツに収める。その空気が毎回心地よく、つい手に取ってしまいます。seya.のルックブックを撮っている写真家Jeff Boudreauさんの写真をプリントしています。今回の旅先である中国は雲南省沙溪の写真です。大胆にプリントされ、とても迫力があります。ジャケットやコートの下に着ると面白い表情になります。風景、その土地の空気。グラフィック。素直に格好良いなと感じました。
僕たちは普段「自分」と「他人」を完全に分けて認識しています。しかし、例えば誰かが誰かのことを見るとき、その人の中に自分自身の一部が映っていたり、他人にとって自分という存在が他人との関係の中でしか成り立たなかったりします。「自分と他人」という線引きは、とても曖昧なのかもしれません。デザイナーのお話を聞いて頭の中ではすごく理解できた気がしていたのですが、言葉にするのがなかなか難しいです。着心地や機能といったことではなく、着る人の内面や感情を洋服に落とし込んだコレクションです。決して答えを導いてくれるわけではなく、実際に着用する僕たちに委ねられています。流行っているからとか、評判が良いから、ではなくて、見たとき、着たときに自分から出てくる感情によく向き合ってみてください。きっとそれが答えに繋がっていくのだと思います。